不動産買取を依頼するなら、事前のリフォーム・リノベーションは必要？

不動産会社に不動産を買い取ってもらう「不動産買取」。少しでも高く買い取ってもらうために、リフォームやリノベーションは必要なのでしょうか。

今回は、不動産買取とリフォーム・リノベーションについて、いくつかの具体例を使って解説します。

不動産買取をするならリノベーションすべき？

リフォームとリノベーションの違い

リフォームとは、キッチンや風呂場の設備修繕、壁や天井のクロスの張り替えなどの小規模な工事を指し、「古くなった設備を改修して新築当時の状態まで戻す」といった主旨で使われることが一般的です。

一方、リノベーションは「既存の建物をグレードアップする」といった意味合いが強く、和室を洋室に変更したり間取りを変更するといった大規模な工事や、廊下のフローリングをタイル貼りにするといったことを指すことが多いでしょう。

では、不動産買取のとき、リノベーションやリフォームはするべきなのでしょうか。

先に答えを言いますが、リフォーム・リノベーションはしない方が良いでしょう。その理由を説明します。

■ リノベーションの効果が未知数だから

リノベーションの効果は未知数です。言い換えると、リノベーションして不動産を買い取ってもらったとしても、買取価格はいくら上がるか分かりません。

そのため、リノベーション工事に200万円かかったものの、不動産買取金額は50万円しか上がらない、ということもあり得ます。

このように、リノベーション工事をしても買取金額にどう影響するか判然としないので、不動産買取時にリノベーションするのはおすすめしません。

■ リノベーションは工期がかかるから

リノベーション工事にはある程度の工期がかかることも、不動産買取時にリノベーションをおすすめしない理由の1つです。たとえば、水まわり設備を入れ替える場合や、間取り自体を変える場合は、大規模なリノベーションになるため1か月以上の工期になることもあります。

しかし、工事をしている間も不動産の築年数は経過し、価値は少しずつ下がっていきます。また、経済情勢や周辺環境が変わることによって、買取価格が変わるリスクもあるのです。

このようなリスクを避けるため、不動産買取時に工期がかかるリノベーションを行うことは避けた方が良いでしょう。

■ 買取業者はリノベーションして再販売するケースもあるから

そもそも、買取業者は不動産を買い取った後にリノベーションして販売することも多いです。その場合、買取業者は「買取後に行うリノベーション内容」がある程度決まっているものです。

つまり、売主がリノベーションしたのに、買取業者が再度リノベーションすることもあるりうるのです。買取業者からすれば「余計なリノベーションをして欲しくない」というケースもあるため、買取時に売主がリノベーションすることはおすすめしません。

不動産買取をするならリフォームすべき？

前項の「リノベーション」と同じように、不動産買取時はリフォームもおすすめできません。その理由は、以下になります。

• リフォームの効果は未知数だから
• 業者は買取後にリノベーションする可能性があるから
• すぐに傷や汚れは付くから
• 部分的なリフォームは難しいから

上記の「リフォームの効果は未知数だから」「業者は買取後にリノベーションする可能性があるから」という点は前項と同様なので割愛します。

ほか2点について、以下より詳しく説明します。

■ すぐに傷や汚れは付くから

リフォームしてもすぐに傷や汚れは付きます。この点は、新築物件に住んだことがある人なら分かるでしょう。たとえば、新築マンションに住んでも、1週間でフローリングには細かい傷や汚れが無数についています。

仮に、フローリングからタイル貼りにする「リノベーション」を行うのであれば、「傷が付きにくい素材」に変更することも可能です。しかし、リフォームの場合は既存の素材を新品に変えるだけなので、基本的に傷や汚れは付きやすいです。

そのため、不動産買取時にリフォームしても、大して資産価値は上がらない可能性があります。

■ 部分的なリフォームは難しいから

リフォームを部分的に行うのは難しいです。たとえば、クロスに傷が付いているので、その部分だけクロスを張り替えるとしましょう。しかし、クロスの一部だけ張り替えると、その部分だけ色や素材が変わってしまいます。

そのため、結局はクロス一面リフォームすることになり費用が高額になるのです。しかし、リフォーム費用にお金をかけても、その費用が買取金額に反映されないケースも多いです。そのため、不動産買取時にリフォームしない方が良いのです。