不動産の相続手続き時に必要な書類について、必要な理由や入手方法などをまとめました。
相続手続きは、役所や法務局で多くの書類を取り寄せなくてはなりません。ご自身のケースに合わせた必要書類の一覧を作成し、点検しながら取り寄せることで、何度も役所に足を運ぶ手間を省きましょう。
不動産相続時に必要な書類一覧
土地や建物などの不動産を相続する場合に必要な書類を網羅的に解説します。
市町村の役所や法務局で取り寄せが必要なものは【取り寄せ】。
亡くなった人が残していないか探す必要があるものは【調査】。
会議の結果をまとめた書類は【協議結果記載】と記しています。
※「被相続人」とは、亡くなった人を指します。
・被相続人の戸籍謄本【役所取り寄せ】
(出生時から死亡時まで一連の全ての戸籍謄本)
遺産の相続を行う大前提として、まずは、いったい誰が相続人となるのかを確定させなければなりません。
その調査資料及び証拠となる書類として、第一に被相続人の戸籍謄本が挙げられます。戸籍謄本には、父や母、妻、子供など、相続人となりうる続柄の人の名前が記載されています。
しかし、戸籍謄本は引っ越して住所が変わると連続性が途絶えてしまいます。相続の際は、亡くなった人の全ての時期において、相続人の有無や続柄が知りたいので、出生時~死亡時までの全ての戸籍謄本を取り寄せる必要があります。
※故人が各地を転々としている場合、戸籍謄本をすべて取り寄せるのもかなりの手間となります。相続税は相続開始から10カ月以内に支払わなくてはならないという期限があるため、相続税が発生しそうな場合は、早めに準備しておきましょう。
・被相続人の住民票の除票【役所取り寄せ】
(本籍の記載のあるもの)
被相続人が亡くなったときの住所がわかる書類が必要となります。
亡くなった人の住民票は、「除票」という名前で、最後の住所地を管轄する役所で取得できます。
・遺言書【調査】
(遺言書がある場合)
亡くなった方が遺言書を残していないか、早めに探しておきましょう。
公正証書遺言であれば、形式に問題はありませんが、亡くなった方が自分で書いた自筆証書遺言の場合、形式に不備がある可能性がありますので、問題がないか確認する必要があります。
・相続人全員の戸籍謄本【役所取り寄せ】
(被相続人死亡日以降のもの)
・財産目録【調査】
・遺産分割協議書【協議結果記載】
・相続人全員の印鑑証明書【役所取り寄せ】
・不動産の登記事項証明書【法務局取り寄せ】
・不動産を相続する相続人の住民票【役所取り寄せ】
・固定資産評価証明書【役所取り寄せ】
相続時は取り寄せる書類がたくさん
相続時に必要となる書類につき、「遺言書」と「財産目録」「遺産分割協議書」以外は全て公的機関で取り寄せが必要な書類となっています。取り寄せに必要な価格は1通300円~800円程度と1,000円以下ですが、書類の数が多いとそれだけ多くの経費がかかるので注意して下さい。
自治体によっては、人が亡くなった際の手続き全般に対してアドバイスや必要書類など案内する「ご遺族支援コーナー」を設けているところもあります。こうした窓口を利用すると良いでしょう。


