相続した不動産を売却した際に発生する税金について、税金がかかる仕組みと計算方法、また、軽減税率の適用についても解説します。
大きなポイントは「住居用財産」と「相続開始から3年10カ月以内」かどうか。軽減税率を利用して賢くお得に不動産を売却しましょう。
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相続した不動産を売却したときにかかる税金
相続した不動産を売却した際は、売買契約書に貼る印紙税の他に、譲渡所得課税(所得税、復興特別所得税および住民税)が課税されますが、相続した子が住居として使っていたかどうかで税金が違ってきます。税金を安くするポイントは、おおざっぱにいうと以下の2つです。
・子が住居として使っていた場合、住居用財産とみなされ、各種の特例により税金が安くなります。
・不動産に相続税が発生していた場合は、相続開始から3年10カ月以内に売却すると、課税額を軽くできます。
以下、具体的に見ていきましょう。
印紙税
不動産売買契約書に添付する印紙税については、2020年3月31日まで税率が軽減されます。軽減税率は以下のようになっています。契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
10万円を超え 50万円以下のもの |
400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの |
1,000円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの |
2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え 1,000万円以下のもの |
10,000円 | 5,000円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの |
20,000円 | 10,000円 |
5,000万円を超え 1億円以下のもの |
60,000円 | 30,000円 |
1億円を超え 5億円以下のもの |
100,000円 | 60,000円 |
5億円を超え 10億円以下のもの |
200,000円 | 160,000円 |
10億円を超え 50億円以下のもの |
400,000円 | 320,000円 |
50億円を超えるもの | 600,000円 | 480,000 |
譲渡所得課税
不動産を売って得た利益には、以下のように「譲渡所得課税(所得税と住民税)」がかかります。譲渡所得税=売却益(売却価格-取得費-譲渡費用)×税率
相続不動産の売却価格が取得費と譲渡費用を合わせた金額よりも低かった場合、税金はかかりません。なお、購入した際の価格が不明の場合は、売却価格の5%を取得費として計算します。※購入価格が売却価格の5%よりも安かった場合も、5%を取得費として計算します。
税率は、不動産をどのくらいの期間持っていたかで違ってきます。亡くなった方が不動産を取得した日から、譲渡した年の1月1日までを所有期間とします。
【所有期間5年超の場合(長期譲渡所得)】
売却益 ×(所得税15%+復興特別所得税2.1%+住民税5%)
「国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
【保有期間が5年以下場合(短期譲渡所得)】
売却益 ×(所得税30%+復興特別所得税2.1%+住民税9%)
「国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
なお、子が住居として使っていた場合、居住用財産とみなされ、これを譲渡した場合、税金の額から3,000万円の特別控除の他、各種の特例が受けられます。
・3,000万円の特別控除の特例
・(10年以上所有していた場合)軽減税率の特例
・特定の居住用財産の買換え特例
・マイホームの買換えの場合の譲渡損失の繰越控除
・特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
特例の適用にあたっては細かい条件がありますので、詳しくは国税庁のホームページをご参照ください。
「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
相続開始から3年10カ月以内に売却すると、課税額を軽くできる
税率を軽くする手段としては、この他にも、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」があります。相続により取得した不動産を、3年10カ月以内に譲渡した場合には、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算できます。この特例を受けたい場合には、確定申告が必要になります。「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
そのため、相続税の発生した相続不動産については、相続後なるべく早めに売ってしまった方が、税金をお得にすることができます。
不動産売却は専門家に相談した方が良い?
基本的には上記のような減税が受けられますが、税法は年によっても細かく変わり、またお持ちになっている不動産の状態や使用状況によっても、どうすれば税金を安く済ませられるかが異なってきます。とくに高額の不動産の場合、売却にかかる税金を少しでも安く済ませたいのであれば、税理士に相談した方がよいかもしれません。不動産会社による買取サービスを利用する場合、売却による税金をなるべく安くしたいという相談にも応じているので、査定の際に問い合わせてみると良いでしょう。
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