親から相続した家など、誰も住む予定がない不動産は売却を検討することが多いでしょう。しかし古い家屋の場合、買い手がなかなか見つからず、空き家として放置してしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は、相続した不動産と空き家の売却について解説します。
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空き家の売却が難しい理由
空き家の売却が難しい理由は以下3点です。
- 不動産会社が取り扱いたがらない
- 劣化しているケースが多い
- 遠方にあるケースが多い
■ 不動産会社が扱いたがらない
「空き家は、不動産会社が扱いたがらない」つまり、売買仲介したがらないので売却が難しいということです。なぜ売買仲介したがらないかというと、空き家は売却価格が安くなるケースが多く、成約しても仲介手数料が少なくなる可能性があります。
そのため、広告費や人件費などを加味すると、不動産会社の利益が極めて少なくなります。このような理由で、不動産会社は空き家を売買仲介したがらず、査定依頼しても「弊社では査定できません」という回答になることもしばしばあります。
■ 建物が劣化していることが多い
築年数が経った空き家は、建物が劣化しているケースがあります。
木造一戸建ての場合、築20年を過ぎると建物の査定価格はゼロだと考えている不動産会社も多く、建物を取り壊して売却することをすすめられることもあります。また、建物が劣化している不動産は、当然購入検討者にも魅力的には映らないでしょう。そのため、売却が難航する可能性があります。
■ 遠方にあるケースが多い
空き家は「相続した実家」であることもしばしばあります。その場合、売主の住まいから遠方にあるケースが多いです。遠方の不動産を売却するには、訪問査定や媒介契約手続きなどが必要で、一連の手続きを面倒に感じてしまいます。
売れない空き家は不動産買取がおすすめ
不動産買取は、不動産会社が直接その不動産を買い取る売却方法です。メリットは買い手が現れるまで待つ必要がないことや、買い手が専門業者なのでトラブルが少ないことです。
オープンハウスは、売れなくて困っている古い建物が建ったままの土地(空き家)でも、積極的に買い取っています。空き家の売却を検討しているのであれば、一度オープンハウスにご相談ください。
売れない空き家は相続放棄できる?
相続した空き家の売却が難しい場合は、相続放棄という選択肢もあります。
空き家の相続放棄は難しいです。その理由は、相続放棄の手続きは迅速に行う必要があるものの、時間がかかる上に、相続放棄したからといってすぐに責任がなくなるわけではないからです。以下より詳しく解説します。
相続放棄は3か月以内に行う
相続放棄とは、被相続人(亡くなった人)の財産を相続しないことです。相続放棄するためには、自分が相続人になったと知ってから原則として3か月以内に手続きする必要があります。仮に、自分の父が亡くなり、遺産の相続権が自分にあるとしましょう。
大抵の場合は、「父が亡くなったとき」と「自分が相続人になったことを知るとき」は同じです。そのため、父が亡くなってから3か月以内に以下の手続きをする必要があります。
- 相続放棄申述書の作成
- 必要書類の取得
- 相続放棄申述受理通知の受付
これら一連の手続きを3か月以内に行うのは簡単なことではありません。そもそも、相続人が誰になるのかを調べる必要がありますし、相続人が複数人いれば財産をどう分割するか協議する必要があります。
このように相続放棄するために必要なさまざまな手続きを、相続人になったと知ってから3か月以内に行う必要があるため相続放棄は難しいのです。
そのため、最近では3ヶ月を過ぎた場合でも相続放棄を認めることも多くなっています。
相続放棄しても管理義務はなくならない
相続放棄の手続きをしても、「相続財産管理人」が決めるまでは空き家の管理義務の責任は相続人(相続を放棄した人)にあります。相続財産管理人とは、弁護士や司法書士など第三者のことです。
ただ、弁護士や司法書士などの第三者を相続財産管理人にするためには、申請~受理が必要なので時間がかかるのです。そして、民法940条に以下の条文があります。
「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」
上記のように、相続放棄できたとしても相続財産管理人が決まるまでは、相続を放棄した人が管理義務責任を負います。そのため、万が一近隣トラブルなどがあれば自分で処理する必要があるのです。
このように、相続放棄したから何もしなくて良いというわけではなく、そもそも相続放棄の手続きは面倒で時間がかかるのです。
また、相続人にとっては使いみちがない不動産であっても、売却できれば金銭的な利益が得られる可能性もあります。そのため、安易に相続放棄すべきではないでしょう。
相続空き家の売却にかかる税金と改正された3000万円控除
相続空き家の売却には税金がかかります。ただし、「3,000万円の特別控除」のルールが改正されて、空き家の売却にも適用できるようになりました。以下より詳しく解説します。
相続空き家にかかる税金
相続空き家にかかる税金は、通常の不動産売却にかかる税金と同じです。譲渡所得税を計算するときは、まず以下の計算式に当てはめて譲渡所得(売却益)を算出します。
譲渡所得=(売却価格-売却時の諸費用)―(購入時の価格+購入時の諸費用-減価償却費用)
その後、上記で算出した譲渡所得を以下の税率に当てはめるという流れです。
税の種類 | 長期保有 | 短期保有 | 10年超保有 |
(5年超) | (5年以下) | ||
所得税 | 15% | 30% | 課税所得6,000万円以下の部分:14.21% 課税所得6,000万円超の部分:20.315% |
復興特別所得税 | 所得税額×2.1% | ||
住民税 | 5% | 9% |
保有期間は、その空き家を売却した年の1月1日時点の期間になります。
3,000万円の特別控除
空き家売却を促進するためにルールが改正され、空き家の売却でも以下の条件に当てはまれば3,000万円の特別控除を利用できるようになりました。
- 昭和56年5月31日以前に建築されている
- マンションなど区分所有登記がされていない
- 相続開始から3年後の年末までに売る
- 売却代金が1億円以下
3,000万円の特別控除とは、譲渡所得が3,000万円マイナスされるため、大半のケースでは譲渡所得はゼロ…つまり税金が非課税になるでしょう。このルール改正によって、空き家の売却には税金がかからないケースが増えたので、売却する物件が増えて空き家が減ることが期待されます。
なお、紹介した上記の条件以外にも細かい条件があります。詳しくは国税庁のサイトで確認できます。
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