不動産の買取の流れとは、不動産会社による査定から契約、引き渡し、代金受取りまでの一連の手続きを指します。 「初めての売却で何から始めれば良いのかわからない」「仲介との違いやメリット・デメリットも気になる」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、不動産買取の基本的な流れや注意点、スムーズに進めるためのポイントをわかりやすく解説します。 この記事を読めば、不動産売却を安心して進められるようになるでしょう。

不動産買取の流れ

ここでは不動産買取の流れを5つのステップに分けて、詳しく解説します。
①買取会社に査定を依頼する
まずは買取会社に査定を依頼しましょう。査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。机上査定は、住所や不動産の種類といった基本的な情報をもとに算出される簡易的な査定です。結果がすぐに出るメリットがありますが、あくまでおおよその目安と考えておく必要があります。
一方で、より正確な価格がわかるのが、実際に物件を見てもらう訪問査定です。机上査定の結果や対応内容に納得できたら、信頼できる買取会社かどうかを見極めたうえで、訪問査定の依頼へ進みましょう。
②現地調査を受けて物件状態を確認してもらう
訪問査定を依頼すると、次のステップとして買取業者による現地調査が行われます。現地調査では、建物の状態だけでなく、周辺の立地環境やインフラ設備なども含めて、細かくチェックされます。こうした詳細な調査が行われるのは、適正な査定額を算出するためだけでなく、売買後のトラブルを防ぐ目的もあるためです。
たとえ高く売却できたとしても、後から不具合が見つかって買主との間でトラブルになってしまっては意味がありません。建物や土地に何らかの問題がある場合は、事前に買取業者や調査員へ正直に伝えることが大切です。
③提示された買取価格や条件を確認する
現地調査が完了してから数日後に、買取業者から不動産の査定額や買取条件が提示されます。査定額については、相場と大きくかけ離れていないかを確認することが大切です。相場より大幅に低い場合は損をしてしまう可能性がありますし、反対に相場より高すぎる場合は、のちの交渉で条件が変わる可能性もあるため注意が必要です。
事前に近隣物件価格を調べ、相場感をつかみ、提示された査定額が適正かどうか判断できるようにしておくのが良いでしょう。
また、査定額だけでなく、買取条件にまでしっかりと目を通すことが大切です。売主にとって不利な条件を課されていないか、手数料が高すぎないかは、特によく確認しましょう。
④契約内容を確認して売買契約を結ぶ
提示された買取価格や条件に納得できたら、いよいよ売買契約を結びます。このときにも条件についてはよく確認するようにしましょう。契約書や契約約款の隅々まで目を通す必要がありますが、なかでも確認したいのは次のような項目です。
- 不動産の引き渡しスケジュールに問題がないか
- 契約に必要な書類は何か、いつまでに提出しなくてはいけないのか
- 査定時に確認した際の買取条件について、その通りに記載されているか
- 家具はそのままで良いか、処分するべきか
- 契約不適合責任の免責が適切に盛り込まれているか など
特に見落としやすく、後からトラブルになるリスクも高いのは、契約不適合責任に関わる契約条件です。
契約不適合責任とは、売買契約の内容と実際に引き渡された物件の状態が違っていた場合に、売主が責任を負うルールのことです。不動産売買では、基本的に売主がこの責任を負います。
たとえば、「建物に雨漏りがあることを口頭では伝えていたが、契約書にその記載がなかったため、引き渡し後に修理費や損害賠償を請求されてしまった」というケースも考えられます。
ただし、不動産買取の場合、中古戸建てについては契約不適合責任を売主が負わない「免責」とすることが一般的です。 また、土地の場合でも条件調整次第で「免責」も可能となります。
なお、不動産買取会社との売買契約が結ばれた時点で、手付金を受け取れます。手付金の金額は、不動産の売却価格のおよそ5~10%です。
⑤決済を受けて物件を引き渡す
不動産の引き渡し日に、売主は残代金(手付金を除いた売買代金)を受け取る「決済」とともに、次のような各種手続きを行います。- 必要書類の確認や、書類への署名・押印
- 不動産の鍵や関係書類の引き渡し
- 司法書士への報酬額支払い(※司法書士に依頼している場合)
- 抵当権の抹消登記手続き(※住宅ローン残高がある場合) など
これらの手続きは、通常、銀行などの金融機関で行われます。
すべての手続きが完了すれば、不動産の買取は正式に完了です。
ただし、不動産の売却で利益が出た場合や、「居住用財産の3,000万円特別控除」などの税制上の特例を利用する場合は、確定申告が必要です。
申告や特例の計算が難しいと感じる場合は、税理士などの専門家に相談・依頼するのがおすすめです。
不動産買取と仲介売却の違い

不動産を売却する際には、主に「買取」と「仲介売却」の2つの方法があります。買取と仲介売却では、売却価格・期間・手続きの流れに大きな違いがあるため、ご自身の状況や希望に合った方法を選ぶことが重要です。
それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、最適な売却方法を検討しましょう。
<不動産買取と仲介売却の比較表>
不動産買取 | 仲介売却 | |
売買価格 | 市場価格より安価な傾向にある | 市場価格に近い金額 |
売却までにかかる期間 | 1週間〜1カ月程度 | 3~6カ月程度 |
仲介手数料 | 不要 | 必要 |
売主による内覧対応 | 不要 | 必要 |
リフォーム | 不要 | 必要な場合あり |
秘匿性 | 高い(広告掲載無) | 低い(公開して売却活動) |
不動産買取を利用するメリットは、売却までのスピードが早く、確実性が高いことです。買主を探す必要がなく、買取業者が直接購入するため、スムーズに取引が進みます。
一方、仲介売却は、市場に物件を出して一般の買主を募る方法です。タイミングや条件が合えば高値での売却も期待できます。その反面、買主が見つからなければ売却に時間がかかったり、リフォームなどの追加対応が必要になったりする可能性もあります。
以上のことから、不動産買取は、「できるだけ早く売りたい方」や「古くて買い手が見つかりにくい不動産を売りたい方」に特に適した方法といえます。
不動産買取に必要となる書類

<不動産買取時の必要書類一覧>
分類 | 書類名 | 内容・注意点 |
本人確認書類 | 身分証明書 | 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど |
実印・印鑑証明書 | 発行から3カ月以内のもの | |
住民票 | 発行から3カ月以内のもの | |
金融関係書類 | 銀行口座書類 | 売却代金振込先の口座情報 |
ローン残高証明書 | 住宅ローンが残っている場合に必要 | |
権利関係書類 | 権利書(登記済証) | 物件の所有権を証明する重要書類 |
購入時の売買契約書 | 物件購入時の契約内容を示す書類 | |
税務関係書類 | 固定資産税納付書・評価証明書 | 税務関係の書類、物件価値の参考資料 |
建物関係書類 | 土地測量図面・建物図面 | 土地の境界や建物の詳細を示す図面 |
建築設計図・工事記録書 | 建物の構造や工事履歴を示す書類 | |
建築確認済証 | 一戸建ての場合のみ必要 | |
マンション管理規約 | マンションの場合のみ必要 | |
耐震診断報告書 | 建物の安全性を証明する書類(ある場合) | |
参考資料等 | 購入時のパンフレット | 物件の詳細情報が記載された資料(ある場合) |
不動産買取会社を選ぶポイント

不動産の買取会社を選ぶときに大切なポイントを表にまとめました。
こちらの表を参考に複数の業者を比較し、実績や対応の丁寧さ、条件面などを総合的に判断するのがおすすめです。
<不動産買取会社を選ぶポイント>
選定ポイント | 確認事項 | 具体的なチェック内容 |
物件種別の専門性 | 自分の物件タイプを得意としているか | ・マンション専門か戸建て対応か ・土地の買取実績があるか ・過去の取扱実績を確認 |
地域での実績 | 物件所在地での豊富な実績があるか | ・同一市町村内に営業店があるか ・地域相場に精通しているか ・その地域での買取事例が豊富か |
提供サービス | 目的に合ったサービスがあるか | ・即時買取対応の可否 ・買取保証サービスの有無 ・リースバック対応の可否 ・つなぎ融資サービスの有無 |
営業担当者の質 | 信頼できる担当者かどうか | ・レスポンスの速さ ・専門知識の豊富さ ・相場への精通度 ・説明のわかりやすさ |
査定の根拠 | 査定価格に明確な根拠があるか | ・周辺取引事例の提示 ・査定額の算出根拠説明 ・市場相場との比較 ・価格設定の妥当性 |
買取価格 | 複数業者での価格比較 | ・最低2~3社への査定依頼 ・最高価格業者の選定 ・価格差の理由確認 ・適正価格の見極め |
会社の信頼性 | 安心して取引できる会社か | ・宅建業免許の確認 ・会社の設立年数と実績 ・口コミや評判の調査 ・財務状況の安定性 |
オープンハウスの不動産買取の特長

オープンハウスは東証プライム上場企業として、迅速かつ安心できる不動産買取サービスを提供しています。
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急いで現金化したい方や手続きの手間を省きたい方はぜひ一度、ご相談ください。
まとめ
不動産買取の主な流れは、次の通りです。
- 買取会社に査定を依頼する
- 現地調査を受けて物件状態を確認してもらう
- 示された買取価格や条件を確認する
- 契約内容を確認して売買契約を結ぶ
- 決済を受けて物件を引き渡す
この一連の流れを押さえるとともに、必要書類は早めに準備しておくことが大切です。事前に準備を整えることで、不動産売却をスムーズに進めやすくなります。
また、買取会社の選定や契約条件の確認については、焦らず慎重に行うことが重要です。早めの行動と冷静な判断を意識して、不動産売却を成功させましょう。