近年、住宅の新たな取引方法として耳にする「リースバック」ですが、デメリットやリスクはないのでしょうか。
今回は、住みながら自宅を売却することができると言われているリースバックのリスクやデメリット、発生しているトラブルについて紹介します。
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リースバックの仕組みや特徴とは
リースバックは、自宅の売却方法であり、自宅を活用した資金調達の方法にです。
自宅を不動産会社に売却して資金を調達し、その自宅だった物件と賃貸借契約を交わし賃料を支払うことで自宅に住み続けることができる仕組みです。
では、リースバックは一般的な不動産の売却方法とどのような部分が違い、どういった特徴があるのでしょうか。
売却後も住み続けられる以外にも様々な特徴があり、特徴を理解しておくことはリースバックを検討するうえで非常に重要です。
そこで、まずはリースバックの特徴について理解しましょう。
資金を得るまでの期間が短い
リースバックは資金が得られるまでの期間が短いという特徴があります。
不動産会社が直接物件を買い取るので、買い主を探す手間が掛からないためです。
そのため、最短で10日程度で物件の売却金を手に入れることができます。
なお、会社によってお金を得るまでの期間が異なるため、すぐに資金が必要な場合は、ホームページや企業に直接問い合わせて、現金化までの期間を確認するようにしてください。
売却後に引っ越しする必要がない
リースバックは住居を売った後でも、他の家に引っ越しする必要がありません。
賃貸借契約を交わして、売却した物件に継続して住むことができるためです。
そのため、新しい物件を探す必要がなく引っ越し費用も節約できます。ただし、リースバックは定期賃貸借契約が主流であるため注意が必要です。
定期賃貸借契約とは、契約期間が終了すると契約の更新ができない契約のことで、再契約できない場合は売却した物件にずっと住み続けることができません。
したがって、長期間住み続けたいという希望があってリースバックを利用する場合は、賃貸借契約の内容について確認するようにしてください。
将来的に物件を買い戻すことができる
一般的に、リースバックは将来的に物件を買い戻すことができます。
契約の内容には物件の買い戻しができないケースや買い戻せる期間が設定されているケースもあるため、確認が必要です。
なお、買い戻す際の金額は売却したときよりも、高額になるなどのデメリットも少なくありません。
したがって、リースバックで売却した物件を買い戻す予定がある場合は、注意点も多いことを覚えておくようにしてください。
リースバックのデメリットやトラブル
リースバックは、ある程度メリットがある自宅を利用した資金調達の方法ですが、デメリットもあり、大きなトラブルになるケースも珍しくありません。
それは、2019年に政府がトラブルを防ぐためにリースバックのガイドラインを作成すると公表していることからも分かります。
ガイドラインを作成することになった背景には、リースバックによるトラブルが多数発生しており、目的として安全な取引を促すことがあります。
参考記事「自宅売却し賃貸で住む「リースバック」 政府、指針策定へ 安全な取引を後押し」SankeiBiz
したがって、リースバックを利用する際は、トラブルになった事例を把握しておくようにしてください。
リースバックのトラブル事例
リースバックのトラブル事例は、「独立行政法人国民生活センター」の令和3年6月24日の報道発表資料で公表されています。
この資料では高齢者の自宅売却トラブルの事例について紹介しており、リースバックに関する事例は全7件のうち2件です。
どちらの事例も自宅を売却したほうが良いと勧めたうえで、自宅を売却させて賃貸借契約をさせている事例になります。
自宅の売却金額が相場よりも安いうえに、家賃も相場より高い契約になっており、嘘の説明や長期間の勧誘などで高齢者を騙して契約をさせたのです。
引用:独立行政法人国民生活センター「令和3年6月24日の報道発表資料」
リースバックについてよく理解をしておかないと、上記のような不当な契約を交わしてしまう場合もあるため、注意をするようにしてください。
リースバックで家賃が高くを払えなくなった事例
自宅をリースバックで売却し賃貸借契約を交わす場合は、周辺の家賃相場よりも高く設定されているケースが少なくありません。リースバックは売却金額から家賃を決めるケースが多いためです。
そのため、家賃が割高で支払いが苦しくなり、支払えなくなった事例は数多く存在します。
仮に、家賃が支払えなくなり滞納してしまうと、賃貸借契約が解除されて追い出されてしまう事態になりかねません。
したがって、リースバックを利用する際は、家賃が周辺の家賃相場よりも割高に設定されていることを理解したうえで、資金計画を立てて家賃を滞納しないようにしてください。
なお、会社によっては周辺の家賃相場を確認して交渉することで、家賃を値下げしてくれる会社も存在するため、交渉をすることも重要です。
物件の売却金額が安くてトラブルになった事例
物件の売却金額が安くてトラブルになった事例もあります。
リースバックは、通常の不動産の売却方法よりも売却金額が低くなります。
そのため、当初想定していた金額よりも安くなり、トラブルになるケースは少なくありません。
特に高齢者の方はリースバックを利用すると売却金額が安くなることを知らないために、不当に買取り金額が安くなったと不満を持ち、トラブルに発展するケースがよくあります。
こういった事態を防ぐためにも、リースバックについて正確な知識を持ったうえで利用をするようにしてください。
リースバック以外の資金捻出方法
これまで紹介してきたように、リースバックは特徴やデメリットをきちんと理解しておかないと、思わぬトラブルに発展してしまう可能性があります。
では、リースバック以外に不動産を活用した資金の捻出方法あるのでしょうか。
結論から言うと、通常の方法で不動産を売却するなどの複数の資金の捻出方法があります。
そこで、ここではリースバック以外の資金の捻出方法について説明していきます。
不動産を一般的な方法で売却する
不動産を一般的な方法で売却することで、資金を捻出できます。
一般的な方法とは、不動産会社を仲介して買い主を探し物件を売却する方法です。
ただし、リースバックよりも売却金額が高額になるメリットはありますが、売却が完了するまで3ヶ月以上かかることが多くなります。
このように、売却まで時間がかかるため、すぐに資金が必要な場合はリースバックや不動産会社の直接買取りを利用するようにしてください。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージは家を利用した資金調達の方法になります。リースバックと似ている方法ですが、リースバックとの違いは金融機関から家を担保にして資金を融資してもらう点です。
家を担保にして融資してもらい死亡後に家を売却して返済する仕組みになっています。
ただし、リバースモーゲージを利用するためには、年齢や資金用途など金融機関ごとに条件が設定されているため注意が必要です。
不動産会社による直接買取
不動産会社に物件を直接買い取ってもらう方法は、リースバックと同様にすぐに現金化することが可能です。
しかも、仕組みが単純なためリースバックよりもトラブルが少なくおすすめです。一般的な売却では、内見や購入検討者との交渉なども不要なため手間もかかりません。
住み替え先も、買取した不動産会社から提案を受けられる可能性もあるため、売却後の住まいに関しても相談できる企業に依頼することをおすすめします。
不動産を売却するならオープンハウスが買取ります
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