築何十年も経ってしまった家を売るのは簡単ではありません。空き家を解体して土地だけにしてしまったほうが、早く売れる可能性があります。しかし、解体にかかる費用が高いため、簡単には進められないかもしれません。
空き家を解体する費用がない場合、どうすればよいのでしょうか。できるだけ費用をかけずに選べる5つの方法を紹介します。空き家の所有に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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空き家の解体にかかる費用相場
建物の解体費用は、一般的にどれくらいかかるのでしょうか。費用の目安は建物の構造によって異なり、木造が一番安く、逆に鉄筋コンクリート造など構造がしっかりしているものは、解体費用が余計にかかります。
目安を表で示すと、以下のとおりです。
坪(3.3㎡) 単価目安 |
100㎡(30.25坪) 建物解体時の費用目安 |
|
木造 | 3~5万円 | 90~150万円 |
鉄骨造 | 5~7万円 | 150~210万円 |
鉄筋コンクリート造 | 6~8万円 | 180~240万円 |
費用が変わる要素は、建物の構造や大きさ以外に、敷地や道路など建物周辺の状況、解体施工会社の事情まで多岐にわたります。
重機やトラックが入らないと、解体時に手作業が多くなったり、廃材などの搬出に人手と時間を割く必要があったりするためです。また、都市部や住宅密集地であれば、飛散防止の対策に費用がかさむだけでなく、多くの警備員も配置しなければなりません。
そのほかにも、解体施工会社の繁忙期と閑散期で料金が変わることもあります。
このように建物の状況だけでなく、場所や時期によっても解体費用は大きく変わるため、複数の解体施工会社から見積もりを取ってみましょう。
放置はハイリスク!空き家は早めに処分を
空き家を放置すると、さまざまなリスクがあります。
もっとも大きなリスクは、空き家の放置によって、建物が徐々に傷んでいくことです。傷みがひどくなれば、最悪の場合だと倒壊して周辺住民に被害がおよび、損害賠償を請求されるかもしれません。
倒壊しなくても管理が不十分だと、ゴミを投棄されるなどして悪臭が発生し、周辺住民とトラブルになることもあるでしょう。また、空き家が犯罪に使われることもあります。
また、空き家を放置すると、固定資産税が跳ね上がることもあります。自治体から管理不十分として「特定空家」に指定され、勧告を受けると、固定資産税や都市計画税の特例措置が適用除外されてしまうのです。
このように空き家を放置し続けるのは、ハイリスクです。早めに空き家の処分方法を検討しましょう。
方法1 解体ローンを組んで空き家を解体する
解体費用を払えない人が費用を補う方法として考えられるのは、金融機関の空き家解体専用ローンの利用する方法です。最近は空き家の社会問題化を背景に、地方銀行、信用金庫などを中心に、空き家の解体費用のローンを扱う金融機関が増えています。
大きな特徴は、金利がそれほど高くないうえに、担保や保証人が必要ないことです。たとえば、北海道銀行の空き家解体ローンの場合、金利2.9%、借入可能額10~500万円、返済期間12年以内、担保・保証人は不要となっています。
金融機関名 | 融資可能額 | 金利(年) | 融資期間 |
北海道銀行 | 10~500万円 | 2.90% | 12年以内 |
東京ベイ信用金庫 | 1~500万円 | 2.275~3.575% | 20年以内 |
JA尾道市 | 10~500万円 | 2.30% | 10年以内 |
※最新の情報は金融機関にお問い合わせください。
また、申し込み時には、所得証明や空き家の登記簿謄本、解体費用の見積もりなどが必要になります。審査に3週間以上かかることもあるため、利用する場合は早めに金融機関へ相談しましょう。
方法2 自治体の補助金を利用して解体する
空き家問題が深刻化するのにともない、空き家の解体に補助金を出す自治体が増えています。
100万円もの補助額を出す自治体もあるため、活用できれば解体費用の負担を大きく抑えられるでしょう。自治体と金融機関が提携しているケースでは、補助金を活用すると空き家解体ローンの金利が安くなる金融機関もあります。
ただし、「かつて住宅利用され、現在は空き家になっており、周辺環境に悪影響を及ぼすおそれがある」など対象要件を満たす必要があるため、所有する空き家が該当するのか確認が必要です。
まずは、補助制度があるのか、活用が可能かどうか、お住いの自治体に尋ねてみましょう。次のような補助金制度があれば、空き家の解体がしやすくなるでしょう。
治体名 | 事業名称もしくは補助金名 | 補助上限 |
茨城県神栖市 | 空き家解体支援事業補助金 | 100万円(特定空き家) |
80万円(不良住宅) | ||
50万円(管理不全空き家) | ||
愛媛県新居浜市 | 老朽危険空家除却事業 | 80万円 |
秋田県秋田市 | 老朽危険空き家等解体撤去補助金 | 50万円 |
方法3 解体せずに空き家をそのまま売却する
「空き家がほしい」という人もいるため、解体することなくそのまま不動産会社をとおして売りに出す方法もあります。
古い家はいまの家とは異なるデザインや間取りになっており、そういった雰囲気を残したままリノベーションをして住みたいという人もいるのです。そういった人に買ってもらえるのなら、解体する必要はありません。家の古さそのものは問題にならないため、悪印象を抱かれないように家屋や庭を清掃したり家具を廃棄したりして簡単に見た目を整えてみましょう。
売り出してから売買が成約するまで時間はかかるかもしれませんが、自分で解体費用を払うより費用を抑えて空き家を処分できます。
方法4 解体せずに賃貸物件として活用する
空き家を賃貸物件として、人へ貸し出すのもひとつの方法です。賃貸であれば売却よりも早く借り手があらわれるかもしれませんし、毎月一定の賃貸収入を得られます。
デメリットはリフォームや清掃などが必要となるため、初期費用がかかることです。空き家の売却を検討するときに、賃貸物件として活用できる可能性についても、不動産会社に相談してみましょう。
方法5 解体せずにそのまま不動産会社へ売却する
解体せずに空き家を売却する方法として、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」があります。一般的な仲介による売買だと売れにくい空き家でも、リノベーションや更地にすることで再販売できる可能性があれば不動産会社は買い取ってくれます。
また、不動産会社が買い取ってくれるため、仲介と比べて時間がかからないのもメリットです。代金もすぐに受け取れるので、空き家を早く現金化したい人にもおすすめです。また、仲介ではないので、仲介手数料が発生しないのも買取のメリットといえるでしょう。
ただし、建物の傷みがひどくて活用できない場合や、再建築できない土地は、買い取ってもらえないこともあるので注意してください。まずは、不動産会社に買取の相談をしてみましょう。
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