リースバックとは資金調達方法のひとつで、売却後も自宅に住み続けられるのが特徴です。リースバックを前提に不動産を売却し、リースバック事業者と賃貸借契約を締結して、賃貸人としてそのまま住み続ける仕組みになっています。
家賃はかかりますが所有者ではなくなるため、固定資産税等がかかりません。住宅ローンを売却代金で完済できれば、月々の返済もなくなります。
ここまで説明するとメリットしかないようにも思えますが、なぜ「リースバックはやばい」といわれるのでしょうか。
リースバックがやばいといわれる6つの理由と、後悔するポイントを詳しく解説します。
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「リースバックはやばい」6つの理由
リースバックはメリットばかりではありません。デメリットに目を向けると、やばい、といわれるのも納得の理由がいくつもあります。
代表的な6つの理由を見ていきましょう。
売却価格が市場よりも安くて思ったほどのお金にならない
リースバックは不動産会社の仲介による売却よりも、比較的早く売却できるのがメリットです。まとまった資金が早急に必要な方にとっては、便利な資金調達方法といえます。
しかし、リースバックを前提としているため、売却価格は市場価格の6~8割になることが多く、思ったほどのお金にならないこともあります。
リースバックを利用するには住宅ローンを完済しなければならず、残債額によっては手元にほとんど残らないかもしれません。また、売却価格を上回る場合だと、リースバックできません。
家賃が高すぎて退去せざるを得ない
リースバックの家賃は、期待利回り(6~8%)を加味して設定されます。したがって周辺の相場よりも家賃が高くなるのが一般的です。家賃を求める計算式は、以下の通りです。
- 家賃(リースバック)=売却価格×期待利回り÷12カ月
したがって、自宅を売却して住宅ローンを完済したのにもかかわらず、住宅ローンの月々の返済と家賃がたいして変わらないこともあります。また、家賃を払い続けられず、退去せざるを得ないケースもあります。
いつまでも住み続けられずに追い出されてしまう
賃貸借契約には2種類あり、基本的に更新できる「普通借家契約」と、定めた期間満了後は更新できない「定期借家契約」があります。
もし定期借家契約によって2年と定められている場合は、2年で退去しなければなりません。リースバックによる賃貸借契約の種類が、どちらなのか確認しておきましょう。
売ったときより価格が高くて買い戻しができない
資金が用意できたタイミングで買い戻すことを前提に、リースバックするケースもあります。しかし、買い戻し価格が高すぎて買い戻せなかったり、知らないうちに他者に転売されてしまっていたりすることがあります。
もし買い戻すことを想定しているのであれば、後悔しないためにも買い戻し特約をつけておく必要があります。そして、買い戻し価格や買い戻しできる期間を定めておきましょう。
家を相続したい人が相続できなくてトラブルになる
リースバックには相続人の同意は必要ありません。しかし、相続できると思っていた不動産が他者の手に渡ってしまうことをよく思わない親族との間で、予期せずトラブルになることもあります。
リースバックを検討するのであれば、相続人に相談しておきましょう。
詐欺的な業者に家をだまし取られることがある
リースバックを前提とした売却価格は、市場相場よりも安い傾向にあります。資金に困っていることを利用して、中には詐欺的な取引をするリースバック業者が存在します。
たとえば不動産取引や契約書に慣れていない高齢者をだまして、常識では考えられないような安価で買い取りをする者がいるのです。また同じ理由で、家賃が相場よりはるかに高く設定されるおそれもあるため、賃料の相場についても把握しておく必要があります。
リースバックのトラブルを防ぐ方法
リースバックを利用する場合、いくつか注意すべき点があります。ここでは、とくに重要な5つのポイントを紹介します。
複数の業者に査定を依頼して比較する
リースバックを検討するのであれば複数社に相談し、買い取り額や賃料、リースバックにかかる手数料など比較しましょう。
また買い戻しを想定しているのであれば、特約をつけられるのか確認し、買い戻し価格や期間も確認しておくことをおすすめします。
リースバックする期間をあらかじめ決めておく
自分自身でリースバックする期間をあらかじめ決めておき、支払う賃料の総額も計算しておきましょう。
賃料は近隣相場よりも高くなることが予想されます。買い戻しや転居をするのであれば、なるべく早くできるように計画を立てましょう。
相続人にリースバックの相談をする
相続人になる予定の親族がいれば、あらかじめリースバックについて相談しておきましょう。
早めに相談しておくことで、トラブルを避けられます。また資金的な余裕があれば、親族間で売買することを検討することもできます。
口約束に注意。契約書の内容を確認する
賃貸借契約時には「家賃は値上げしない」と口約束をしていたとしても、更新時に値上げを要求されることがあります。また定期借家契約締結時には「更新可」と口頭で説明していたとしても、実際には拒否されることもあります。
口約束は信じず契約書の内容を確認するようにし、契約書に記載されていない場合は追記してもらうようにしましょう。
リースバックをしたあとの計画を明確にする
リースバックをする前に、家賃などの支払いについてシミュレーションしておきましょう。しかし、オーナーチェンジになった場合は、家賃が値上げすることも考えられます。なるべく資金計画には余裕を持つようにし、引っ越しの時期も検討しておきましょう。
住み替えたほうが便利なケース
リースバックは売却後も自宅に住み続けられるのが魅力ですが、状況によっては住み替えも視野に入れておくことをおすすめします。長い目で見れば、自宅に住み続けることに固執する必要がないかもしれません。
住み替えたほうが、メリットがあると思われるケース3つ紹介します。リースバックと売却による住み替え、どちらにするか迷っている方はぜひ参考にしてください。
老後の住まいにしたい
将来的に家族構成が変わるタイミングがある場合、現在の自宅のような広さを必要としないかもしれません。
ゆくゆくは夫婦2人のために老後の住まいを手に入れようとしていたのであれば、このタイミングでコンパクトな家に買い替えるのも一つの方法でしょう。
自宅を売却して、住まいを買い替えできれば家賃を支払う必要はありません。また、住まいをコンパクトにすることで、光熱費などの維持費を抑えることもできます。
仲介による売却は時間がかかることを想定する必要はありますが、売り出し価格次第で早期に売却することも可能です。
家の売却代金を活用したい
家の売却代金を最大限に活用したいと考えるのであれば、仲介による売却がおすすめです。不動産会社へ仲介手数料を支払う必要はありますが、相場価格で売却することが可能です。
仲介の場合、基本的には希望する価格で売り出せます。価格交渉があり、結果的に値下げに応じることになったとしても、納得したうえで売却できるでしょう。
まとまったお金が早くほしい
自宅に住み続けることが最優先事項でないのであれば、買い取りも視野に入れましょう。リースバックの買い取り額よりも高く売却できる可能性もあります。
買い取り額と引き渡しの条件について折り合いがつけば、買い取りの場合もすぐに現金化できます。賃貸契約を締結する必要がない分、リースバックよりもスムーズに取引できるでしょう。
建物が古い場合は、契約不適合責任を免責にできるか相談しましょう。建物の不具合や設備の故障など、引き渡し後に責任を負わない契約にできると安心です。
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