家をすぐに売りたい！早期売却を実現するためにやるべきこと

家を売るには、約3～6カ月かかることが一般的です。しかし、なかにはすぐに売却したい事情のある人もいるでしょう。「とにかく早く売りたい」というときの売却方法と、早く売るときに注意したいことについて解説します。

家をすぐに売るなら「買取」がおすすめ

離婚・転勤・近隣トラブルなど、さまざまな事情から買ったばかりの家をすぐに売却したいと考える人は少なくありません。家をすぐに売りたい場合は、「買取」という売却方法がおすすめです。買取のメリットを紹介します。

買取は不動産会社が家を買う売却方法

買取とは売りたい家を不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。不動産会社が物件の価格を査定して、提示された価格に納得できればすぐに家を売却できます。

そのため、家をすぐに手放したい方や売却に時間をかけられない方に適した売却方法といえるでしょう。

最短数日で売却できることも

一般的な不動産の売却方法は仲介ですが、不動産会社と媒介契約を締結したり、購入希望者を募ったりなど、売却までに手間と時間がかかります。一方で買取は、早ければ2日～1週間程度で売却可能です。

物件の状況にもよりますが、売却期間は1カ月前後と考えておくとよいでしょう。仲介と比較して短期間で売却でき、まとまった現金が手に入ることは買取の大きなメリットです。

仲介手数料がかからない

不動産会社の仲介で不動産を売却した場合、成功報酬として仲介手数料を支払います。仲介手数料の金額は法律で定められていますが、物件価格に比例して高額になるため、諸費用の中で最も大きな負担となるでしょう。

しかし、買取であれば不動産会社が直接買主になるため、仲介手数料が発生しません。

契約不適合責任を免責にできる

契約不適合責任とは、売買契約成立後に契約書に記載のない欠陥（シロアリ被害や雨漏れなど）が見つかったときに、売主が負う責任のことです。

たとえば、売買契約時に売主が「建物の状態は良好」と報告して売買契約を成立させたとします。その後、買主が瑕疵に気が付き、売主に通知した場合、売主は被害に関わる費用を負担したり、代金を減額したりする必要があります。欠陥の程度によっては、契約解除となることもあるでしょう。

しかし、買取のときは買主がプロの不動産会社であることから、契約不適合責任を免責とした売買契約を交わすケースもあります。必ず免責になるわけではないため、契約書の内容は必ず確認しましょう。

期間に余裕があれば「仲介」も検討

不動産売却には仲介と買取の2つの売却方法があります。不動産の売却を急がないなどの理由があれば、仲介を検討するのもよいでしょう。仲介で不動産を売却する方法について、わかりやすく解説します。仲介と買取を比較して、どちらが適しているかよく検討しましょう。

仲介は不動産会社が買主を見つける売却方法

仲介は不動産会社に依頼して、買主を探してもらう売却方法です。仲介は不動産会社へ依頼してしまえば、多くのことを任せきりにできるため、それほど負担を感じることはないでしょう。

仲介による売却の流れは、以下の通りです。

1. 不動産会社へ不動産の査定を依頼する
2. 不動産会社と媒介契約を締結する
3. 不動産会社が販売活動を開始する
4. 購入希望者があらわれたら条件交渉をする
5. 売買契約を締結する
6. 決済をして代金を受け取る
7. 物件の引き渡しを行う

売却にかかる期間は3～6カ月

仲介の標準的な売却期間は3～6カ月といわれています。しかし、不動産市場や物件状況などによって売却期間は大きく変わってくるため、あくまで目安として考えておきましょう。

長ければ1年以上売れない可能性もあるため、新居への引っ越しや資金計画には余裕を持っておく必要があります。また、不動産会社の中には、仲介で一定期間を経ても売れなった場合、あらかじめ取り決めしていた金額で買取をしてくれる「買取保証」というサービスを実施している会社もあります。高く売りたいものの期間が決まっている人は、買取保証を検討するとよいでしょう。

納得のいく価格で家を売却できる

仲介は売却価格を売主が自ら決められます。たとえば、「住宅ローン残債が2,000万円あるので、2,000万円で売却したい」といった個人的な事情に合わせて価格を決めることも可能です。

スケジュールに余裕がある方や人気エリアの物件である場合、相場より少し高めに売り出して高値売却を狙う戦略を採ることもできるでしょう。売主が納得した価格で家を売却できることは、仲介の大きなメリットです。

不動産会社のサポートが受けられる

仲介は売却期間が長く、媒介契約の種類によっては1～2週に1回の状況報告を受けられます。そのため、担当者とのコミュニケーションが密になりやすく、信頼関係を築きやすいのがメリットです。プロである不動産会社のサポートは、不動産売買に慣れていない人にとっては大変心強いものとなるでしょう。

ただし、サポートは不動産会社の方針や担当者によって異なります。売却を成功させるためには、媒介契約を締結する前に、信頼できる担当者かどうかを慎重に見極めることが大切です。

家を早く売るときに注意すること

ここからは、家を早く売るときの注意点について解説します。家を売るときに注意することには、次の4つがあります。

• 複数の不動産会社の査定を受ける
• 破損などの不利な情報を伝える
• 売主も価格の相場を把握する
• 必要書類は事前に準備しておく

それぞれの注意点を見ていきましょう。

複数の不動産会社の査定を受ける

不動産会社には得手不得手があり、売却に強い会社、建築に強い会社、仲介専門の会社など特徴はさまざまです。売却を成功させるためには、売却実績や査定額をはじめ、担当者の対応力などを考慮する必要があります。

また、複数の不動産会社に査定依頼をすることで、物件の相場を知れます。ただし、不動産会社の中には極端に高い査定価格を掲示してくる会社もあるため注意が必要です。査定価格が極端に高い場合は、「なぜ高いのか」を問い合わせて査定価格の根拠を明確にしておきましょう。

破損や不具合などの不利な情報を伝える

仲介で売却を行う場合、売主は契約不適合責任を負います。ただし、売主が個人の場合、売買契約時に免責特約を付して契約できます。この特約は「売主は瑕疵の責任を負いません」という特約で、売却後に万が一瑕疵が発見されても売主は責任を取る必要がありません。

しかし、瑕疵を知りながら買主に報告しなかった場合は、免責とならないため注意が必要です。「早く売りたい」という焦りから瑕疵を隠し、売却後にトラブルになるケースも少なくありません。トラブルを未然に防ぐためにも、瑕疵が見つかった場合は、すみやかに買主へ報告しましょう。

売主も価格の相場を把握する

不動産会社の中には利益を高めるために囲い込みを行い、売主を利用する悪徳業者も存在します。そのため、売却を行う際は不動産会社に全て任せることは避けた方が無難です。

売却相場を把握しておくことは、売り出し価格の設定や値引き交渉時にも役立ちますので、売主自身も価格相場を把握するなど知識をつけておきましょう。

必要書類は事前に準備しておく

不動産売買では多くの手続きと書類が必要になります。特に書類は、申請から受け取りまで数日を要するものもあるため、できるだけ早めに準備しておきましょう。

不動産売却で必要な書類には、以下のものがあります。

項目	一戸建て	マンション
身分証明書（自動車運転免許証、マイナンバーカードなど）	◯	◯
登記済証又は登記識別情報	◯	◯
建築確認通知書、確認済証、検査済証	◯	×
間取り図	◯	◯
固定資産税・都市計画税納税書の写し	◯	◯
実印、印鑑証明	◯	◯
固定資産評価証明書	◯	◯
住民票	◯	◯
土地測量図、境界確認書	◯	×
抵当権抹消書類	◯	◯
物件に関する書類 （管理規約・パンフレットなど）	×	◯

不動産会社の担当者に相談して、抜けがないようにしましょう。