空き家を売却するときに、真っ先に考えるべきことは「片付け」です。片付けが不十分なまま売り出すと、内覧者へ与える印象が悪く、売却価格に悪影響を及ぼすおそれがあります。
そのため、空き家を売却するときは、片付けが重要です。空き家を効率的に片付ける方法や注意すべきポイント、片付けにかかる費用などをくわしく解説します。スムーズな売却のため、ぜひ参考にしてください。
空き家の売却では片付けが基本
空き家の売却で重要なのは、「片付けによる第一印象の向上」です。適切に片付けることで家全体の魅力を引き出し、購入希望者の心を掴めます。片付けが必要な理由や注意点を見ていきましょう。
空き家を売却するときは片付けが必要
空き家の購入希望者は、内覧したときにその家での生活を想像します。散乱した家具や大量の不用品が残っていると、家の魅力が半減してマイナス印象を与えかねません。
たとえば、リビングルームに古いソファや壊れた家具が積み上げられていると、部屋が狭く感じられます。また、ものが多いと家全体が暗くなり、古びた印象を与えるかもしれません。そのため、片付けは「家の価値を最大限に引き出す準備」なのです。
片付けが必要な理由
空き家を売却するときに片付けを行うべき理由は、次の3点に集約されます。
内覧時の印象を高める
購入希望者が家の広さや引っ越し後の生活をイメージできるようにするには、片付けが不可欠です。ものが散乱している状態では、家全体が狭く見えたり、不清潔な印象を与えたりします。
安全性を確保する
家具や生活用品などを放置していると、内覧者や不動産会社がケガをする原因になります。小さな子どもが内覧に同行していることも考えられるため、片付けなどの安全面への配慮が求められます。
家の価値を最大化する
片付けが行き届いた家は写真映えがするため、不動産広告での魅力が高まります。また、購入希望者が手間をかけることなく「すぐに住める」と感じることで、購入意欲が高まり、価格交渉を有利に進められるでしょう。
片付けをしないまま売り出すメリット・デメリット
片付けをしないで空き家を売却するのには、メリットとデメリットがあります。メリットは片付けの手間をかけずに売り出せることですが、そのほかにも取りつけて間もないエアコンやキッチン設備は、そのまま使えるという付加価値を提供できることがあります。この場合であれば、売却にあたって支障になることは少ないでしょう。
片付けをしないデメリットは購入希望者にネガティブな印象を持たれてしまうことで、スムーズに売却できない原因になることです。早く売りたいときこそ、片付けの手間をかけたほうがよいでしょう。
遺品整理が絡む場合の注意点
空き家が遺品整理をともなう場合、遺族同士によるいさかいが生じることがあります。思い入れのあるものや価値のあるものなど、遺品にはさまざまなものがあります。空き家の片付けをするときに、遺品があるときはいさかいが生じないよう次のことを心がけてすすめましょう。
遺族で協力して整理する
断りなく処分してしまうと、遺族の間でいさかいが起こることがあります。しかし、一つひとつの遺品を確認しながら処分することは現実的ではないため、遺族で集まって遺品整理をするとよいでしょう。
遺品整理業者を活用する
遺品整理を行う専門業者がいますので、作業を依頼してしまうのもひとつの方法です。遺品整理の知識があり、アドバイスをもらって処分するものを判断できます。
法律や手続きを確認する
遺品のなかには、非常に高価なものが紛れていることがあります。貴金属のような高価なものは、遺産分割協議をやり直すなどの手間が生じることもあるので注意しましょう。遺品整理を行う前に専門家へ相談しておくと安心です。
空き家の片付けにかかる費用はどれくらい?
空き家の片付けには、少なからず費用がかかります。どれくらいの費用がかかるのか、あらかじめ把握しておくと思わぬ請求に驚かずに済むので安心です。ただし、片付けにかかる費用は、方法によって異なるので注意しましょう。自分で片付ける場合、業者に依頼する場合にかかる費用を見ていきましょう。
自分で片付ける場合の費用
自力で片付ければ、費用を大幅に抑えられますが、それだけ時間と労力がかかります。主に発生する費用として、次のものがあります。
粗大ゴミ処分費用
自治体による回収の場合、1品目あたり数百円〜数千円程度
処分場への運搬費用
自家用車で運ぶ場合のガソリン代や、レンタカーを利用する場合の費用
梱包材の費用
段ボールやガムテープなどの購入費用が必要になる
たとえば、3LDKの家を片付ける場合、一般的に粗大ゴミが10点ほど発生します。その場合、自治体の回収費用で合計5,000〜10,000円程度かかると考えられます。
また、自分で片付けを行う場合は、1日や2日で終わらないことも多いため、スケジュールに余裕を持たせておきましょう。
不用品処分業者に依頼する場合の費用
業者に依頼すると、片付け作業の大部分をプロに任せられるため、時間と労力を大幅に削減できます。不用品処分業者に依頼した場合の、一般的な費用の目安は次のとおりです。
- 1Kの部屋:3万~5万円
- 2LDKの家:8万~15万円
- 3LDK以上の家:15万~30万円
費用は処分するものの量や地域、業者のサービス内容によって異なるので注意しましょう。依頼するときは、複数の業者に見積もりを依頼して、比較することが大切です。また、インターネットで業者の口コミをチェックしておくと、あとから高額な追加料金を請求するような悪質業者を避けられます。
追加費用が発生するケース
家具などの処分以外に、空き家の片付けでは追加費用が発生することがあります。追加費用が発生するのは、次のようなケースです。
特殊清掃費用
長期間放置されていた家では、害虫駆除や消臭作業が必要なことがあり、5万〜20万円程度の費用がかかることがある
庭の手入れ費用
庭付きの空き家では、剪定や草刈り作業が必要となり、1万〜5万円程度の費用が追加で発生することがある
リサイクル家電の処分費用
テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの家電リサイクル法に基づく処分費用が必要。1品目あたり2,000~4,000円程度
片付け前に追加費用を見積もっておくことが、予算オーバーを防ぐポイントです。
空き家の片付け費用を節約する方法
空き家の片付けでは、自分で作業をしたとしても数万円単位の費用がかかります。できるだけ片付けの費用を抑えるのなら、次の方法を試してみましょう。
自分で処分できるものは自分で処分する
もっともシンプルな節約方法は、自分で処分できるものを自分で片付けることです。衣類や書籍、小型の家具は自治体のゴミ回収に出せることが多いので費用を抑えられます。ただし、大量にゴミを出すと回収してもらえないことがあるため、あらかじめ自治体に確認しておくことが大切です。また、地域によってゴミ出しのルールが異なるため、確認して正しく分類をしましょう。
自治体の無料回収サービスを活用する
自治体によっては、小型家電や一部の不用品を無料で回収するサービスを提供しています。たとえば、スマートフォンや電気ケトルなどは、地域の回収ボックスに持ち込むだけで処分できることがあります。事前に回収対象品目や回収日を確認しましょう。
リサイクルショップや買取サービスを活用する
状態のよい家具や家電製品は、リサイクルショップや買取サービスに持ち込むことで、現金化できます。特に人気ブランドの家具や最新型の家電は高値で買い取られることがあります。また、出張買取を利用すれば、大型家具を運び出す手間が省けます。
売れそうなものはフリマアプリに出す
フリマアプリは、不用品を売却する手段として非常に有効です。特にブランド品や未使用品などは高額で売れる可能性があります。売るときは、商品の写真をきれいに撮影し、くわしい説明を記載することで購入希望者の関心を集められるでしょう。
不動産会社に相談する
不動産会社によっては不用品処分業者と提携していて、片付けサービスを提供していることがあります。そういった不動産会社であれば、片付けと売却準備を一括して進めることが可能です。処分にかかる費用も売却代金から差し引く形で対応してもらえることがあるため、資金的な余裕がない人には助かるでしょう。
買い取りなら空き家の片付けは不要
処分するものが多い、処分方法が特殊なものがあるなど片付けが難しいときや、処分にかける時間がないときは、空き家を不動産会社に買い取ってもらう方法も検討するのもよいでしょう。
不動産会社が空き家を買い取る場合は、片付けの必要がなく、また売り出す期間を省いてスピーディに現金化できます。不動産会社の買い取りとはどんなものなのか、詳細に解説します。
空き家を買い取ってもらうメリット・デメリット
不動産会社による買い取りは、一般的な仲介による売却とは異なり、売却の速さが最大のメリットです。仲介で空き家を売り出したときは、不用品を処分したり、広告を出したり、内覧者の対応をしたり、さまざまな手間と時間がかかります。しかし、買い取りであれば、そういった手間を省けます。
家具などの不用品があったとしても、プロである不動産会社は適切に空き家の価値を見極めて価格を提示してくれるでしょう。また、売却後のトラブルが少ないのも、不動産会社が買い取るメリットです。
ただし、適正価格を知るために複数の不動産会社へ査定を依頼したり、不用品が多いとそれだけ買い取りの価格が下がったり、デメリットへも注意しましょう。
買い取りに適したケース
特に次のようなケースでは、不動産会社による買い取りが有効です。
- 売却を急いでいる
- 物件の状態が悪い
- 遠方の物件で管理が難しい
こういったケースであれば、空き家の売却に手間をかけられないため、不動産会社に買い取りを依頼するとよいでしょう。
買い取り価格の決まり方
一般的に空き家の買い取り価格は、次のポイントによって決まります。
物件の状態
老朽化や修繕の必要性がある場合、評価額が下がる傾向にある
立地条件
交通の利便性や周辺環境がよい物件は、高値での買い取りが期待できる
周辺市場の価格
同じエリアの売却事例や市場動向をもとに、適正価格が算出される
ただし、片付けや修繕費用が差し引かれることがあるため、事前に買い取り条件を確認することが大切です。
不動産を売却するならオープンハウスが買取ります
オープンハウスは、売れなくて困っている土地、いびつな土地や古い建物が建ったままの土地でも、積極的に買い取ります。
電話やネットからお問い合わせいただければ、経験を積んだ専門のスタッフが買い取り価格を素早く算出し、24時間以内にお知らせします。価格に納得頂ければ最短48時間で現金化も可能です。


商談が未成立でも相談料等は発生しません。お気軽にお問い合わせください。