土地の値段を知りたいと思ったときには、専門的な知識が必要になることがあります。
今回は、ある坪数の土地がいくらになるのか知りたいとき必要な考え方について詳しく解説します。
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50坪の土地の値段はいくらになるのか
「50坪の土地ならいくらなの?」というような、特定のエリアに対する土地価格の質問を受けるケースがあります。土地の値段は、はたして単純な坪数で値段を判断しても良いものなのでしょうか。
「坪単価、いくらぐらい?」に対する回答
都市部であれば、仲介業者にエリア指定をして「○○町の坪単価ってどれくらいですか?」と尋ねると、近隣の公示価格に20%程度を上乗せした金額を答えるケースが多いです。
不動産仲介業者が目安にする公示価格は、国が地価公示法という法律にもとづいて土地鑑定委員会に調査を依頼して、全国3万地点の標準値価格を出したものです。この公示価格は実勢価格の70%程度が目安といわれており、国の指針として公示価格を実勢価格の参考にするように呼びかけています。
不動産事業者は坪単価を聞かれたら、まずは公示価格を基準にして回答するのは、こういった背景があるからです。
実勢価格による値付け
不動産事業者がより詳しく土地価格の査定を行うとき、基準になるのは実勢価格です。つまり近隣エリアにおいて実際に売買された価格の坪単価を基準が基準になります。その基準に対して、土地の諸条件を考えながら増減を行い実際の販売価格を決定します。
土地を売るときは、実際に取引された金額(成約価格)を基準にしなければいけません。
売主は自分が所有する土地に思い入れがあり、他の土地よりも高値で売れると思いがちですが、不動産取引の現場はシビアです。
相場からかけ離れた価格で売りに出しても、良い結果が得られることはほとんどありません。仲介業者は売主に相場観を理解してもらうために、土地価格の根拠となる近隣での販売事例や、売り物件データ、そして公示価格や路線価などの情報を提示してくるはずですので、納得いくまで確認して売値を決めましょう。
坪単価や坪数での質問とその回答は参考にしづらい
同じ坪単価で計算ができれば、とても簡単な話です。希望するエリアの土地が100坪や300坪なら、坪30万円で、それぞれ3000万円と9000万円です。その通りにすすめば良いのですが、実際にはそう単純なものではありません。
土地は大きさだけでなく、形によっても価値が違ってくるからです。例えば、旗竿地で考えてみましょう。
旗竿地とは不整形地(長方形や正方形でない土地)の一種で、道路に接する間口が狭く、奥行きが長い通路上の土地が続き、その奥に実際に使用できる土地がある敷地の事です。真上から見ると、まるで、旗が竿(通路上の土地)にかかっている様に見える事から旗竿地と呼ばれています。こういった土地の場合は旗にあたる部分にしか住宅を建てられません。そのため、旗部分は有効敷地と呼ばれます。
建築基準法では、「4m以上の公道に間口が2m以上接している宅地にしか建築許可を出さない」と言う決まりがあります。旗竿地は、建築基準法に準拠しつつ少しでも効率よく土地を販売するために、宅地を細かく区分けした結果としてできあがった土地です。
旗竿地において、間口が2mで奥行きが10mの場合、20㎡が宅地の一部ではあるが私道のような竿部分と、建物を建てられる土地(有効宅地)を、足すと全体の坪数がわかります。
参考までに旗竿地と、道路に直接面している土地の坪単価を下記で計算をしてみましょう。
(例)
A・旗竿地 20m2(竿部分) + 有効宅地100m2 = 120m2
B・宅地100m2
この両方が同じ2000万円であった場合に、それぞれの坪単価は
旗竿地2000万円 ÷ 120m2 × 3.3m2 = 54.9万円(坪単価)
宅地2000万円 ÷ 100m2× 3.3m2 = 66万円(坪単価)
となります。
この場合には、例え隣接する宅地であっても、坪単価で11万円の差がでています。
同じようなケースで法地(家を建てられない斜面)を含む宅地なども、有効宅地以上に全体の坪数が増加する事から坪単価が相場よりも安くなります。
このように、土地は地形や向きで価格が変わってきます。その他にも、方位や売主の意向などにより価格が異なることもあります。
50坪の土地と50坪の家では査定価格が違うの?
50坪の土地価格について紹介してきました。
それでは、「50坪の家」では、その価値はどのように推定すればよいのでしょうか。
50坪の家の査定方法
家は土地の上にある定着物です。そのため、家を単体で査定することはそれほど多くはありません。ただし家を建てるために土地を借りている定期借地権などの場合においては、家単体の評価を行うことがあります。
さて実際の家の査定ですが、おおむね下記のようなポイントを参考にします。
- 築年数
- 坪数
- 建築メーカー
- 建築会社や第三者保証機関による建物保証の有無
- 外部状況(外壁材の状態や、屋根など主たる構造部分の確認)
- 内部状況(雨漏りや、壁のクラックなど目視による)
- 使用部材・仕様の内容
- 仕様設備(キッチン・お風呂などのメーカーや、採用商品及び状態)
- 売主からの特記内容(ヒアリング)
- メンテナンス履歴の確認(リフォームの有無や箇所、施工年度など)
新築、中古と問わず、住宅への基本的な査定に対する考え方は同じです。
ただし、家の管理状態が悪く、購入しても大幅なリフォームなしでは住むことができない場合や解体するしかない場合は別です。更地の査定価格から家や土地定着物(樹木や再利用することができない物置なども含みます)の解体費用を差し引かなければなりません。
このようなケースではあらかじめ更地にしてから販売をするケースと、そのままの状態で、必要となる解体費用を考慮して、例えば50坪の更地価格から解体に必要な見込み費用を差し引いた金額で売り出す場合もあります。
この場合は「古家付き土地」と表現されます。昨今、注目されている古民家再生などで利用できればよいのですが、そうではない場合にはあらかじめ解体費用の見積もりをとるなど、購入目的にあった価格を考える必要があります。
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