公開日:2021年02月18日
住み替えに伴う不動産売却の進め方|流れ・税金・注意点までわかりやすく解説

住み替えに伴う不動産売却の進め方|流れ・税金・注意点までわかりやすく解説

住み替えを検討する際には、今の住まいをどう売却するかが重要なポイントになります。特に、住宅ローンの残債があるケースや、新居の購入時期が差し迫っている場合には、売却の進め方ひとつでスムーズに住み替えられるかどうかが変わってきます。この記事では、不動産を売って住み替えをしたい方に向けて、売却の流れや注意点、税金の基礎知識などをわかりやすく解説します。将来の資金計画にも役立つ内容ですので、ぜひご覧ください。

オープンハウスの買取事例

住み替えは、まず現在の家の売却がおすすめな理由

ライフスタイルの変化や家・周辺環境の問題、急な転勤といった事情から、現在の住まいから新しい住まいに移る住み替え。賃貸物件からマイホーム購入をする、既に購入していた住宅から新しい住まいを購入して移るなど、様々な住み替えパターンがあります。


現在、購入した住宅に住んでいて、新たに住まいを変える住み替えでは、まず現在の住宅を売却することから考えることがおすすめです。


その理由を紹介しましょう。


住み替え資金として売却代金を活用できる

住み替えには様々な費用が発生します。


新たに戸建てやマンションを購入するような住み替えでは、住宅ローンの頭金や各種手数料、税金、引っ越し費用がかかります。


賃貸物件への住み替えの場合でも、入居時に発生する敷金・礼金をはじめとした初期費用などが発生します。


それ以外にも、カーテンやエアコンといった生活に必要な家財・家電を購入することもあるでしょう。新しい環境での新生活では思わぬ持ち出しも多くなりやすいため、住み替えには十分な資金が欲しいところです。もし先に売却が済んでいれば、新しい住宅ローンの契約もスムーズに進めることができます。


家を持っているだけ発生する費用

また、住まなくなった家にも様々なコストが発生します。


毎年1月1日の時点で不動産を所有している場合、固定資産税や都市計画税が課税されます。住み替えたあとでも、以前まで住んでいた家の税金を払い続けなければなりません。


また、マンションの場合は、管理費や修繕積立金といった継続した費用が発生します。戸建ての場合も、建物を維持するための管理コストがかかることに注意しましょう。


住み替えを成功させるためには、まず住んでいる住宅の売却を考えましょう

住み替えの進め方:売却先行・購入先行の違い

住み替えを検討する際、多くの方が悩むのが「今の家を先に売るべきか、それとも先に新しい家を買うべきか」という点です。ここでは「売却先行」と「購入先行」の違いをわかりやすく解説します。


住み替えの進め方やスケジュールについては住み替えのタイミングはとても重要。賢い住み替えの手順を紹介」にて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。


売却先行の特徴

売り先行型は、住んでいた住宅の売却を先に進める住み替え方法です。住宅の売却を優先することで、住み替え資金の捻出やダブルローンの心配もありません。


費用面の負担を抑えやすく、資金計画が立てやすい点がメリットです。


ただし、一般的な売買仲介では売却に3ヵ月~半年程度かかることもあります。立地条件によっては、買い手が見つからず売却できない可能性もあります。こうしたケースでは、住み替えスケジュールにズレが生じるおそれもあります。


また、早期に売却できたとしても、住み替え先が決まっていない場合は仮住まいが必要になります。仮の住まいとして賃貸物件に住むことも少なくありません。当然、入居費用や初期費用といった余分なコストが発生します。


売却のタイミング次第で、一時的な住まい探しや二重の引っ越しが発生する点には注意が必要です。


購入先行の特徴

買い先行型は、住み替え先の住宅購入を先に進める住み替え方法です。


住み替え先に強いこだわりや条件がある場合、良い物件はすぐに買われてしまうため、先に購入を優先して進めます。希望エリアや間取り、築年数などに条件がある方にとっては、購入のタイミングを逃さない点がメリットです。


ただし、今の住まいに住宅ローンが残っていると、新居のローンも組む必要があり「ダブルローン」になるケースがあります。


また、新たな住宅ローンの頭金を手持ちから用意しなければならないなど、十分な資金が求められます。このような場合、金融機関からは収入や返済能力を厳しく審査されるため、現実的には難しいと感じる方も多いでしょう。


住宅ローン残債がある場合の住み替えはどう進める?

現在の住宅ローンが残っていると、住み替えは難しいと感じる方も少なくありません。ですが実際には、残債の状況に応じた複数の選択肢があり、工夫次第でスムーズに住み替えることは可能です。


ここでは、売却による完済住み替えローンつなぎ融資といった代表的な進め方をご紹介します。


自己資金が十分にない時の住み替えについては住み替えを成功させるポイント。住み替えが失敗するパターンとは」にて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。


残債を売却で完済する場合の進め方

もっとも一般的な方法は、現在の住まいを売却し、その代金で住宅ローンを完済するという手順です。売却金額がローン残高を上回っていれば、差額を新居の購入資金に充てることもできます。


この方法では追加のローン負担がないため、資金計画も立てやすく、住み替えの不安を抑えることができます。売却代金だけで残債を完済できない場合には、自己資金を足して精算する必要があります。


そのため、査定額とローン残高のバランスを早めに確認しておくことが大切です。売却益の見込みや清算の方法については、不動産会社に相談して具体的にシミュレーションしてもらうとよいでしょう。


住み替えローンを利用する場合の進め方

住み替え先の購入を先に進めたい場合に、現在の住まいの売却代金が間に合わないケースでは「つなぎ融資」が選択肢となります。


これは、新居の購入代金を一時的に立て替え、売却が完了した後に返済するという仕組みのローンです。短期間だけ資金を補うことができるため、「買い先行」の住み替えに適しています。


ただし、つなぎ融資は通常の住宅ローンよりも金利が高めで、借入期間も限られています。売却が長引いた場合には、利息の負担が大きくなる可能性もあるため、資金計画を慎重に立てたうえで利用することが大切です。

住み替え時の不動産売却手続きの具体的な流れ

住み替えにあたっては、現在の住まいを売却するまでにいくつかの手続きが必要です。スムーズに売却を進めるためには、各ステップの内容をあらかじめ把握しておくことが大切です。以下では、不動産売却の一般的な流れを6つのステップに分けて紹介します。


Step1:不動産会社への査定依頼

まずは信頼できる不動産会社に、現在の住まいの査定を依頼しましょう。住み替えの全体計画を立てるためにも、売却額の目安を把握しておくことが重要です。


Step2:売買契約の締結

買主が決まれば、売買条件を確認のうえ、売買契約を締結します。契約時には、価格や引き渡し時期、契約不適合責任の有無などを明確にし、トラブルを避けるようにしましょう。手付金の授受もこのタイミングで行われます。


Step3:仮住まいの準備や引っ越し

売却先行で住み替えを行う場合は、売却完了から新居への入居までの期間に備えて、仮住まいを検討する必要があります。引っ越しのスケジュールや仮住まいの契約など、事前に余裕を持って準備しておきましょう。


Step4:物件の引き渡し

契約で定めた引き渡し日に、買主へ物件を引き渡します。鍵や設備関連の説明、必要書類の受け渡しも含めて、引き渡しをスムーズに進めましょう。買主にとって気持ちのよい取引となるよう、丁寧な対応を心がけたいところです。


Step5:売却後の確定申告

住み替えによる売却で譲渡益が出た場合は、確定申告が必要です。売却額や取得費、諸経費などの記録を保管し、翌年の申告に備えておきましょう。特例や控除が使えるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。


住み替えにともなう税金と使える特例制度

不動産の住み替えでは、売却によって利益が出た場合、原則として税金がかかります。ただし、一定の条件を満たせば特例制度を利用でき、税負担を軽減できるケースもあります。


住み替えで発生する主な税金

住み替えで不動産を売却すると、譲渡所得税住民税などの税金が発生します。これは売却によって利益(譲渡所得)が出た場合に課されるもので、売却価格から取得費や売却時の諸経費を差し引いた金額が課税対象になります。


また、所有期間によって税率が変わるのも特徴です。5年を超えると長期譲渡所得となり、5年以下は短期譲渡所得として税率が高くなります。利益が出た場合は、確定申告を通じて納税する必要があるため、あらかじめ準備をしておきましょう。


住み替え時に使える税制優遇措置

住み替えにともなう不動産売却では、一定の条件を満たすことで税金が軽減される特例制度があります。


代表的なのが「3,000万円の特別控除」です。これはマイホームを売却した際、譲渡所得から最大3,000万円まで非課税にできる制度で、住んでいた家を売却する場合には多くのケースで適用可能です。


また、譲渡益が出たあとに住み替えた場合に適用できる「買い替え特例」や、譲渡損失が出た際の損益通算・繰越控除なども状況によって利用できる可能性があります。こうした制度をうまく活用することで、税負担を大きく減らせる可能性があるため、売却前に確認しておくことが重要です。


住み替えは、買い先行と売り先行が同時にできる「不動産買取」がおすすめ

住み替えは、買い先行と売り先行が同時にできる「不動産買取」がおすすめです。


不動産買取とは、不動産会社が買い手を探して売却する売買仲介ではなく、不動産会社が直接不動産を買い取るという売却方法です。


不動産買取には


  • 仲介手数料不要
  • 物件内覧といった手間がかからず売却できる

といったメリット以外にも、住み替えならではのポイントがあります。


スピーディーに現金化ができる

不動産買取は、買い手がつくのを待つ必要がありません。


そのため、短期間で現金化することができます。オープンハウスの不動産買取は最短48時間で現金化が可能です。そのため、住み替えの資金計画も非常に立てやすくなります。


引き渡し時期を自由に決められる

通常の売買仲介では、売り手と買い手が引き渡し時期を取り決めます。


売り先行型の住み替えでは、住み替え先が決まってから引き渡しをしたいと感じますが、買い手は待ってはくれません。そのため仮住まいが必要になるのです。


不動産会社が直接買い取る不動産買取では、引き渡し時期も自由に決めることができます。不動産会社に相談することで、住み替え先が決まるまで住むこともできるケースもあります。


住み替え先を相談できる

オープンハウスでは、住み替え先の提案も可能です。


住み替え先の条件を相談していただければ、希望に合った物件を紹介します。


不動産のプロに直接相談できるため、自分で物件情報を一つひとつ探す手間が省け、効率的に住み替えを進めることができます。エリアや価格帯だけでなく、学校区や交通利便性といった細かな希望にも対応してもらえるケースが多く、理想の住まい探しをサポートしてくれる点も魅力です。


また、住み替えに必要な資金計画やスケジュール管理などもあわせて相談できるため、初めての住み替えでも安心して進めることができます。


住み替え時の不動産売却のよくある質問

住み替えにあたっては、売却の流れや資金繰り、税金の扱いなど、さまざまな疑問が生まれます。とくに初めて住み替えを行う方にとっては、不安や不明点も多いはずです。


このセクションでは、住み替え時の不動産売却に関してよく寄せられる質問を取り上げ、それぞれわかりやすく解説していきます。


家を売るときにやってはいけない注意点は?

不動産を売却する際、焦って行動すると思わぬトラブル損失につながることがあります。たとえば「相場を調べずに査定額だけで即決する」「必要な書類の準備が不十分なまま進めてしまう」「売却スケジュールを詰めすぎて仮住まいが必要になる」などは、避けたい落とし穴です。


また、「とにかく高く売りたい」と条件にこだわりすぎると、買い手が見つかりにくくなり、かえって売却が長引くケースもあります。


大切なのは、全体のスケジュールや資金計画をしっかり立てたうえで、信頼できる不動産会社と連携して進めていくことです。


買い替え特例を使わないとどうなる?

住み替えにともなう不動産売却では、一定の条件を満たせば「譲渡所得の課税を繰り延べできる買い替え特例」が利用できます。この特例を使わない場合、売却で得た利益(譲渡所得)に対して、すぐに譲渡所得税や住民税などが課税されるため、まとまった税負担が発生するおそれがあります。


とくに、売却益が大きいケースでは、特例を使うかどうかで納税額に大きな差が出ます。条件を満たせば、税金の支払いを将来に繰り延べることができるため、資金計画上のゆとりにもつながります。


ただし、買い替え特例には細かな要件や適用除外もあるため、必ず事前に確認することが大切です。


4000万円で不動産を売却したら税金はいくらかかる?

不動産を売却して得た金額すべてに税金がかかるわけではありません。課税対象となるのは「譲渡所得」であり、譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)という計算で求められます。


たとえば、4000万円で不動産を売却し、取得費や譲渡費用を差し引いた結果、利益が1000万円だった場合、この1000万円に対して税金が発生します。


譲渡所得にかかる税率は所有期間によって異なりますが、5年超の所有であれば約20%(所得税+住民税+復興税)が目安です。つまり、1000万円の利益ならおよそ200万円の税金が発生する計算になります。


なお、住み替えやマイホームの売却では、3000万円の特別控除などを使える可能性もあります。特例の適用要件を満たすかどうかで税額は大きく変わるため、事前に確認しておくことが大切です。

住み替えに向けて不動産売却は早めに検討しよう

住み替えは、資金の確保住宅ローンの調整引っ越し準備など、検討すべき項目が多くあります。なかでも現在の住まいをどう売却するかは、住み替え全体のスケジュールや予算に大きな影響を与える重要なポイントです。


売却活動には時間がかかることもあるため、早めに動き出すことが成功のカギです。 特に仲介での売却を検討している場合、買主が現れるまでに数か月かかることもあります。売却を後回しにすると、資金繰りが難しくなったり、仮住まいが必要になるなどのリスクもあります。


不動産会社への査定依頼や相談は無料でできるところが多く、早期の情報収集に役立ちます。住み替えの計画をスムーズに進めるためにも、まずは売却の準備から始めてみましょう。


須藤光輝

記事監修

須藤 光輝

宅地建物取引士 応用情報技術者

福島県出身。慶応義塾大学理工学部を卒業後、2014年に中途でオープンハウスに入社。
営業推進部門の立ち上げ、戸建事業の経営計画策定、仕入契約条件の標準化、DXを推進。
買取再販部門の立ち上げ、個人から直接用地仕入を行うためのスキーム確立。
契約管理部門の立ち上げ、事業標準化と生産効率の向上。
事業管理部門の立ち上げ、品質・安全性・顧客満足向上と取り組んできた業務は多岐にわたる。
現在は、他社に先行し実家じまい・家じまいのセミナー講師を務める傍ら、戸建賃貸ファンド・アパート事業の責任者をしている。
趣味は考古学、子どもと一緒にパズルを作ること。

福島県出身。慶応義塾大学理工学部を卒業後、2014年に中途でオープンハウスに入社。
営業推進部門の立ち上げ、戸建事業の経営計画策定、仕入契約条件の標準化、DXを推進。
買取再販部門の立ち上げ、個人から直接用地仕入を行うためのスキーム確立。
契約管理部門の立ち上げ、事業標準化と生産効率の向上。
事業管理部門の立ち上げ、品質・安全性・顧客満足向上と取り組んできた業務は多岐にわたる。
現在は、他社に先行し実家じまい・家じまいのセミナー講師を務める傍ら、戸建賃貸ファンド・アパート事業の責任者をしている。
趣味は考古学、子どもと一緒にパズルを作ること。

オープンハウスは相続不動産も買取します

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