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土地の相続税はいくら?評価額の計算方法や控除を解説

土地相続にかかる税金について、「何から手を付ければ良いか分からない」「税金の計算方法が複雑で難しい」「控除や特例をうまく活用できるか不安」と、お困りではありませんか?本記事では、相続した土地にかかる税金の基本から、評価額の計算方法、利用できる控除や特例まで、分かりやすく解説していきます。土地の相続税に関する疑問や不安を解消し、適切な納税手続きを行うための知識が得られます。ぜひ最後まで読んで、土地相続の悩みを解決してください。

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土地の相続税の計算方法

土地を相続した場合、相続税が発生する可能性があります。相続税は、相続財産の総額から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額に、税率を掛けて計算します。本章では、相続税の計算方法について解説します。

課税対象となる財産を算出

まず、相続によって取得したすべての財産を評価し合計額を算出します。財産には土地、建物、現金、有価証券などが含まれます。


生命保険金や退職金などは、一定額まで非課税となります。

基礎控除額の計算

相続税には基礎控除額があり、課税対象額を減らすことができます。基礎控除額の計算式は次の通りです。


3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 )

例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。

遺産総額の算出

課税対象となる財産の合計額から、基礎控除額を差し引いた金額が、課税遺産総額となります。遺産総額の数式は次の通りです。


課税遺産総額=課税対象となる財産の合計額−基礎控除額

課税遺産総額がプラスになった場合、相続税が課税されることになります。

税率の確認

相続税率は、課税遺産総額に応じて異なります。税率は10%から55%まで8段階に分かれており、金額が大きくなるほど税率も高くなります。


例えば、課税遺産総額が1,000万円以下であれば税率は10%、3億円超6億円以下であれば税率は50%です。

相続税総額の算出

課税遺産総額に税率を掛けて、相続税額を計算します。相続税額の数式は次の通りです。


各相続人の相続税額=課税遺産総額×税率×法定相続分

例えば、課税遺産総額が6,000万円で税率が30%で、配偶者と子供2人が相続をすると、配偶者の法定相続分は2分の1、子供はそれぞれ4分の1となりますので相続税額は次の通りとなります。

  • 配偶者の相続税額:6,000万円×30%×1/2​=900万円
  • 子供1人あたりの相続税額:6,000万円×30%×1/4​=450万円

相続人の納付税額を算出

各相続人の相続税額を計算したら、配偶者控除や未成年者控除などの税額控除を適用します。税額控除を差し引いた金額が、各相続人が実際に納める相続税額となります。


納付税額=各相続人の相続税額−税額控除額

参考:国税庁|財産を相続したとき

相続税の申告と納税手順

相続が発生した場合、相続人は相続税を納める必要が生じる可能性があります。本章では、相続税の申告から納税までの手順について解説します。


相続の開始を知る

親族が亡くなった場合、相続が開始されます。まずは、誰が相続人になるのか、遺言書の有無を確認しましょう。


財産と債務の調査

亡くなった方の財産(土地、建物、預貯金、有価証券など)と債務(借金、未払い金など)を調査します。財産の評価額を把握することが、相続税計算の第一歩です。


遺産分割協議

相続人全員で、どの財産を誰が相続するかを話し合います。遺産分割協議がまとまれば、遺産分割協議書を作成します。


相続税の計算

相続財産の総額から、基礎控除額を差し引いた課税遺産総額を計算します。課税遺産総額に税率を掛けて相続税額を算出します。相続税の計算方法については、本記事の「土地の相続税の計算方法」で詳しく解説しています。


相続税の申告

相続の開始を知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に、税務署に相続税申告書を提出する必要があります。申告書には、相続財産の内容、評価額、相続人の情報などを記載します。


相続税の納付

相続税は、原則として現金一括で納付する必要があります。納付期限は、相続税の申告期限と同じです。相続税の申告・納税は複雑な手続きを伴うため、税理士などの専門家への相談も検討しましょう。


相続の手続きについては「家を相続する方へ-不動産を相続する際の必要手続きや書類・方法・費用を徹底解説」でも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

土地の相続税評価額はどう計算する?

土地の相続税を計算する上で重要なのが、土地の評価額を正確に把握することです。相続税は、相続財産の総額に基づいて課税されるため、土地の評価額が異なると最終的な税額も大きく変動します。


土地の評価方法には、主に「路線価方式」と「倍率方式」の2種類ありますので詳しく解説します。

路線価方式での計算

路線価方式は、市街地など、路線価が定められている地域で用いられる評価方法です。路線価とは、道路に面する宅地の1平方メートルあたりの価格を指し、国税庁が毎年公表しています。路線価方式による土地の評価額は、次の計算式で求められます。


土地の評価額 = 路線価 × 土地の面積(平方メートル)

例えば、路線価が30万円の地域にある200平方メートルの土地の場合、評価額は30万円 × 200平方メートル = 6,000万円となります。


ただし、土地の形状や利用状況によっては、評価額を調整するための補正率が適用されることがあります。例えば、不整形地や間口が狭い土地、奥行きが長すぎる土地などは、評価額が減額される可能性があります。

倍率方式での計算

倍率方式は、路線価が定められていない地域で用いられる評価方法です。主に、都市部以外の地域や、路線価が設定されていない地域で利用されます。倍率方式による土地の評価額は、次の計算式で求められます。


土地の評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率

固定資産税評価額は、市町村が固定資産税を課税するために評価した額で、納税通知書などで確認できます。倍率は、国税庁が地域ごとに定めており、評価倍率表で確認できます。


例えば、固定資産税評価額が1,000万円で、倍率が1.1の土地の場合、評価額は1,000万円 × 1.1 = 1,100万円となります。


参考:国税庁|財産を相続したとき


相続した土地を売却する際には、税金がかかる場合があります。土地の売却にかかる税金については「相続した不動産の売却にかかる税金は?控除や特例を解説」で、相続した土地を売却する際の税金の計算方法については「相続した土地を売却するには税金がかかる!計算方法と減額方法を解説」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

土地の相続税の控除や特例

土地の相続税を計算する上で、各種控除や特例を理解しておくことは非常に重要です。控除や特例を活用することで、相続税額を軽減できる可能性があります。本章では、代表的な控除と特例について解説します。

配偶者控除

配偶者控除は、被相続人の配偶者が遺産を相続する際に適用される制度です。配偶者が相続した遺産の額が、1億6,000万円、または配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは、相続税が課税されません。

未成年者控除

未成年者控除は、相続人が未成年者である場合に適用される制度です。未成年者が満18歳(※)になるまでの年数に応じて、一定の金額が相続税額から控除されます。


控除額は、(18歳-相続開始時の年齢)×10万円で計算します。例えば、相続開始時に10歳であった未成年者の場合、(18歳-10歳)×10万円=80万円が控除されます。


※「18歳」とあるのは、2022年3月31日以前の相続または遺贈については「20歳」となります。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、被相続人が居住していた宅地や事業を行っていた宅地を相続した場合に、評価額を減額できる制度です。


特定居住用宅地の場合、330平方メートルまでの部分について、評価額が80%減額されます。

贈与税額控除

相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産がある場合、税金の掲載において贈与財産は相続税の課税対象となります。ただし、既に贈与税を納めている場合は、贈与税額を相続税額から控除することができます。

相次相続控除

相次相続控除は、今回の相続以前10年以内に発生した相続で、被相続人が相続税を納めていた場合に適用される制度です。本制度は、短期間に連続して相続が発生した場合の税負担を軽減することを目的としています。控除額は、次の計算式で算出します。


今回の相続税額 × (被相続人の今回の相続前の相続税を課税された期間年数 / 10年)

控除や特例を適切に活用することで、相続税の負担を軽減することができる可能性があります。適用要件や計算方法など、詳細については税理士などの専門家にご相談ください。


参考:国税庁|財産を相続したとき


税金の計算方法については「相続した土地を売却するには税金がかかる!計算方法と減額方法を解説」で、特別控除については「国税庁の制度をもとに解説!相続した土地の売却にかかる税金と特別控除とは?」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

土地の相続でよくある質問

土地の相続に関して、多くの方が疑問を持つ点について解説します。

相続税はいつまでに払えばいい?

相続税の申告と納税は、相続の開始を知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。期限内に申告・納税しないと、延滞税や加算税が発生する可能性がありますので注意が必要です。


参考:国税庁|相続税の申告と納税

相続した土地を売却したら確定申告は必要?

相続した土地を売却した場合、譲渡所得が発生することがあります。譲渡所得は、土地を売った金額から取得費(相続時の評価額など)と売却費用を差し引いて計算します。


譲渡所得が発生した場合は、確定申告が必要です。確定申告の期間は、原則として売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。


譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)

参考:国税庁|譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

相続放棄したら税金はかからない?

相続放棄とは、相続人が被相続人の財産を一切相続しないことを選択する手続きです。相続放棄をした場合、相続人ではなくなるため、原則として相続税を納める必要はありません。


ただし、相続放棄をする際には、場合によっては、借金などのマイナスの財産だけでなくプラスの財産も相続できなくなる点に注意が必要です。

相続した土地を売った時にも税金はかかる?

相続した土地を売却した時に、売却益に対して譲渡所得税がかかる場合があります。譲渡所得税は、売却益から特別控除を差し引いた金額に税率を掛けて計算します。


特別控除には、居住用財産を売却した場合の3,000万円の特別控除など、様々な種類があります。また、相続開始から3年以内に売却した場合、一定の要件を満たせば、相続税額の一部を取得費に加算できる場合があります。


参考:国税庁|相続財産を譲渡した場合の取得費の特例


相続した土地を売却した際に確定申告が必要かどうかについては「相続した土地を売却したら確定申告が必要?手順や注意点まで解説」で、相続した土地を売るタイミングについては「相続した土地を売るタイミングはいつがベスト?判断基準と注意点を徹底解説」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

相続税の申告漏れにご注意を

相続税は、財産を相続した際に発生する税金です。土地の評価方法、税率、控除や特例など、複雑な要素が絡み合います。申告漏れや計算ミスがあると、追徴課税が発生する可能性もあります。


本記事では、相続税の計算方法から申告・納税の手順、よくある質問までを解説しました。今一度内容をおさらいし、ご自身の状況に照らし合わせてどの程度税金が発生するか確認してみましょう。

須藤光輝

記事監修

須藤 光輝

宅地建物取引士 応用情報技術者

福島県出身。慶応義塾大学理工学部を卒業後、2014年に中途でオープンハウスに入社。
営業推進部門の立ち上げ、戸建事業の経営計画策定、仕入契約条件の標準化、DXを推進。
買取再販部門の立ち上げ、個人から直接用地仕入を行うためのスキーム確立。
契約管理部門の立ち上げ、事業標準化と生産効率の向上。
事業管理部門の立ち上げ、品質・安全性・顧客満足向上と取り組んできた業務は多岐にわたる。
現在は、他社に先行し実家じまい・家じまいのセミナー講師を務める傍ら、戸建賃貸ファンド・アパート事業の責任者をしている。
趣味は考古学、子どもと一緒にパズルを作ること。

福島県出身。慶応義塾大学理工学部を卒業後、2014年に中途でオープンハウスに入社。
営業推進部門の立ち上げ、戸建事業の経営計画策定、仕入契約条件の標準化、DXを推進。
買取再販部門の立ち上げ、個人から直接用地仕入を行うためのスキーム確立。
契約管理部門の立ち上げ、事業標準化と生産効率の向上。
事業管理部門の立ち上げ、品質・安全性・顧客満足向上と取り組んできた業務は多岐にわたる。
現在は、他社に先行し実家じまい・家じまいのセミナー講師を務める傍ら、戸建賃貸ファンド・アパート事業の責任者をしている。
趣味は考古学、子どもと一緒にパズルを作ること。

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