抵当権抹消手続きを自分で行う手順・流れを初心者でも分かりやすく解説!

抵当権抹消手続きを自分で行う手順・流れを初心者でも分かりやすく解説!

住宅ローンを完済すると、「抵当権抹消手続き」を行う必要があります。司法書士に依頼する方法もありますが、自分で進めることも可能です。費用を抑えたい方や手続きを理解しておきたい方にとって、自分で行うことで大きなメリットがあります。この記事では、自分でできる抵当権抹消手続きの具体的な流れを解説します。必要な書類や申請方法、注意点まで詳しく紹介するので、手続きを進める際の参考にしてください。

オープンハウスの買取事例

抵当権抹消手続きは自分でできる?

住宅ローンを完済すると、抵当権抹消の手続きを行う必要があります。手続きは司法書士に依頼することもできますが、自分で行うことも可能です。実際に、自分で手続きを行う人も少なくありません。


手続きは、必要書類を揃え、登記申請書を作成し、法務局へ申請するという流れです。ただし、書類の記入ミスや必要書類の不足があると申請が受理されないため、正しい方法を理解しておくのが重要です。


専門家に依頼すると手間を省けますが、数万円の費用がかかります。一方、自分で手続きすれば、5,000円程度に抑えられます。


手続きは難しくないので、正しい知識があればスムーズに完了できます。次のセクションでは、具体的な手順を詳しく解説していきます。


抵当権抹消手続きを自分でする際の具体的な手順

抵当権抹消手続きは、正しい手順で進めれば自分で完了できます。ここでは、必要書類の準備から申請完了までの具体的な流れを解説します。


Step1. 必要書類を揃える

抵当権抹消手続きを進めるためには、いくつかの書類を準備する必要があります。必要書類は、抵当権設定時や住宅ローン完済時に金融機関から受け取るのが一般的です。


必要書類に不備があると、手続きが遅れる可能性があります。再提出が必要になることもあるため、事前にしっかり準備しておきましょう。


Step2. 登記申請書の作成

法務局に提出するための登記申請書を作成します。登記申請書は、自分で作成する必要があります。法務局のホームページには抵当権抹消登記の記入例やフォーマットが掲載されているので、活用すると便利です。


登記申請書には、次のような情報を記載します。

登記の目的 「抵当権抹消」などの目的
原因 「令和〇年〇月〇日完済」など、抵当権の消滅理由
義務者 抵当権を設定している金融機関の情報(住所・社名・法人番号・代表者)
申請年月日と申請する法務局 登記を申請する日付と、申請先の法務局の情報
不動産の表示 土地や建物の所在地、登記簿に記載されている情報

記入ミスがあると申請が却下される可能性があるため、慎重に作成しましょう。


Step3. 法務局へ申請

必要書類を揃え、登記申請書を作成したら、管轄の法務局へ申請を行います。法務局は不動産の所在地ごとに管轄が決まっているため、管轄の法務局を確認しておきましょう。


申請方法には、次の3つの方法があります。


  • 窓口での申請(法務局に持参)
  • 郵送での申請
  • オンラインでの申請(登記・供託オンライン申請システム)

郵送やオンライン申請を利用すれば、法務局へ行かずに手続きできます。


Step4. 完了証の受け取り

申請後、法務局での審査が終わると、抵当権の抹消登記が正式に完了します。完了までの期間は通常1〜2週間ですが、混雑時にはさらに時間がかかる場合があります。


登記が完了すると、法務局から「登記完了証」と「返却書類」が交付されます。これらは重要な書類のため、紛失しないように保管してください。


あわせて、登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し、登記が正しく抹消されているか確認すると安心です。


抵当権抹消手続きを自分で始める前に知っておくべき基礎知識

まず、抵当権とは何か、どのケースで手続きが必要かを理解しておくことが重要です。手続きをスムーズに進めるための基礎知識を解説します。


抵当権とは、基本と役割

抵当権とは、住宅ローンなどの借入時に金融機関が担保として設定する権利です。不動産を担保にすることで、ローンの返済が滞ると金融機関が競売を行い、貸付金を回収できる仕組みです。


住宅ローンを組むと、金融機関が抵当権を設定し、情報が登記簿にも記録されます。ローンを完済すると、抵当権を抹消できるようになります。


ただし、完済しても抵当権は自動的には消えず、所有者が抹消手続きを行う必要があるため注意が必要です。


抵当権の内容については「抵当権とは?初心者向けにわかりやすく解説!手続き・メリット・デメリットまで」にて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。


住宅ローン完済後に必要な手続きとは?

住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が交付されます。これらの書類を使い法務局で抹消登記を行うと、抵当権が正式に解除されます。


金融機関から受け取る書類は、次のとおりです。


  • 登記済証または登記識別情報通知書
  • 抵当権解除証書または弁済証書
  • 金融機関が作成した委任状(必要な場合)

これらの書類が揃っていないと手続きを行えないため、完済後すぐに内容を確認し、紛失しないよう保管しておきましょう。


抵当権付きの土地を相続したら?

親や親族から抵当権がついた不動産を相続した場合、状況に応じ適切に対応する必要があります。


まず、故人がローンを完済していたにもかかわらず、抵当権が抹消されていない場合は、相続人が抹消手続きを行います。この場合、通常の抵当権抹消に必要な書類に加え、次の相続関連の書類が必要です。


  • 被相続人の死亡を証明する戸籍謄本
  • 相続人の本人確認書類
  • 相続関係を証明する書類(遺産分割協議書など)

一方、ローンが残っている場合は、相続人はローンの返済義務を引き継ぐか、相続放棄を検討する必要があります。相続放棄をしない場合、ローンを完済した後に抵当権抹消手続きを進める流れとなります。


状況によって必要な書類や手続きが異なるため、金融機関や法務局に確認しましょう。


家を相続したときについては「家を相続する方へ-不動産を相続する際の必要手続きや書類・方法・費用を徹底解説」や「相続した不動産を売却する方法・流れを解説」にて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。


抵当権抹消手続きを自分でした場合にかかる費用

抵当権抹消手続きを自分で行う場合と、専門家に依頼する場合では、かかる費用が大きく異なります。ここでは、それぞれの費用の違いを解説します。


自分で手続きをした場合にかかる費用

自分で抵当権抹消手続きを行う場合、費用の大部分は登録免許税のみとなります。具体的な費用は次のとおりです。

登録免許税 不動産1つにつき1,000円
登記事項証明書の取得費用 1通480円~600円
固定資産評価証明書の取得費用 300円~400円程度(法務局によっては不要)
郵送申請の場合の郵送費 数百円

登録免許税は不動産1つにつき1,000円のため、土地と建物の2つを対象とする場合は2,000円となります。


自分で手続きを行えば、抵当権抹消手続きの費用は3,000円~5,000円程度で済み、大幅に費用を節約できます


専門家に依頼した場合にかかる費用

司法書士などの専門家に依頼すると手続きの手間を省けますが、報酬が発生するため費用が高くなります。専門家に依頼した場合の一般的な費用は次のとおりです。

司法書士の報酬 15,000~30,000円
登録免許税 不動産1つにつき1,000円(自分でやる場合と同じ)
その他の諸費用 2,000~5,000円

総額は20,000円〜40,000円程度になることが多く、不動産の筆数が増えると費用も増えます。


スムーズに進めるためには、時間を優先するか、費用を抑えるかを考え、自分で行うか専門家に依頼するかを決めましょう。


抵当権抹消にかかる費用については「抵当権抹消の登記費用はいくらかかる?自分でする方法や流れまで解説」にて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。


抵当権抹消手続きの事前準備|スムーズに進めるために

抵当権抹消手続きをスムーズに進めるには、情報を整理し、しっかり準備しておくのが重要です。ここでは、手続きにかかる時間や必要書類、費用の見積もりについて解説します。


手続きにかかる時間とスケジュールの目安を把握する

抵当権抹消手続きの完了までには、2週間~3週間程度かかるのが一般的です。事前に流れを把握し、計画的に進めましょう。


まず、必要書類を受け取るまでに1日~数日かかります。住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が交付されます。受け取ったらすぐに内容を確認し、不足があれば金融機関に問い合わせて対応しましょう。


次に、登記申請書を作成します。作成は1日程度で可能ですが、誤りがあると申請が受理されないため、事前に確認しながら慎重に作成しましょう。法務局のフォーマットを利用し、記入ミスがないよう進めます。


書類が揃ったら、管轄の法務局へ申請を行います。窓口申請なら即日提出可能ですが、郵送の場合は送付に数日かかるため、余裕を持って手続きを進めましょう。


申請後、法務局での審査が行われ、問題がなければ1週間から2週間ほどで登記が完了します。登記完了証が発行されたら、登記事項証明書を取得し、抵当権が正しく抹消されていることを確認しておきましょう。


このように、住宅ローンの完済から抵当権抹消までには2週間~3週間ほどかかります。不動産の売却などで抵当権の抹消が必要な場合は、スケジュールを確認し、計画的に進めましょう。


必要書類の確認と準備をする

手続きに必要な書類が揃っていないと、申請がスムーズに進みません。特に重要なのは、金融機関から交付される書類をチェックすることです。手続きに必要な書類は次のとおりです。


登記識別情報通知書または登記済証 金融機関から取得する
登記原因証明情報書類(解除証書、抵当権解除通知書など) 金融機関から取得する
委任状 金融機関から取得する
金融機関などの資格証明書(必要な場合) 金融機関から取得する
抵当権抹消登記申請書 法務局からダウンロードして作成

書類が不足している場合は、金融機関や法務局へ問い合わせ、再発行の可否を確認しましょう。


抵当権抹消の必要書類については「抵当権抹消登記の必要書類・手続き・紛失時の対処法を解説にて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。


抵当権抹消手続きをしないとどうなる?放置するリスク

住宅ローンを完済しても、抵当権抹消手続きを行わなければ、不動産の登記簿上に抵当権が残ったままになります。この状態を放置すると、将来的にさまざまな不利益が生じる可能性があるため、早めに手続きを済ませましょう。


ここでは、抵当権を抹消しない場合の具体的なリスクを解説します。


不動産を売却しづらくなる

抵当権が登記簿に残っていると、不動産売却の際に購入希望者や不動産業者が抵当権付き物件を敬遠する可能性があります。


仮に売却を進める場合でも、売却前に抵当権抹消手続きを済ませることが必要です。しかし、完済から長期間が経過していると金融機関に書類の再発行を依頼できず、手続きが煩雑になり、時間がかかるリスクがあります。


不動産の売却は契約から引き渡しまで期間が限られているため、抵当権抹消に時間を取られると買主との交渉に影響し、最悪の場合、売却のタイミングを逃す恐れもあります。


相続や名義変更時に手続きが増える

不動産を相続する際、登記名義を相続人に変更する「相続登記」が必要です。抵当権が残っていると、相続登記の前に抹消登記を済ませる必要があり、手続きが煩雑になります。


相続登記と抵当権抹消登記を同時に行う場合、両方の手続きを整理しながら進める必要があります。相続人が複数いる場合は話し合いが必要となり、スムーズに進まないケースもあるため注意が必要です。


住宅ローンの審査に影響する

住宅ローンを組む際、金融機関は申込者の信用情報や資産状況を確認します。登記簿に古い抵当権が残っていると、不動産を担保にした融資が難しくなります。そのため、新たにローンを組む際は抵当権抹消が必要です。


例えば、自宅を担保に新規融資を申し込む際、古い抵当権が残っていると「二重担保」とみなされ、審査が通りにくくなります。また、金融機関から「抵当権を抹消してから再申請してください」と指示されることもあり、手続きの遅れによって資金調達のタイミングを逃す可能性があります。


住宅ローンの審査や資金調達をスムーズに行うためにも、不要な抵当権は早めに抹消しましょう。


抵当権抹消手続きを自分でする際のよくある質問

抵当権抹消手続きは自分で行えますが、申請が却下された場合の対処法や、オンライン申請の可否など、不安に感じる点もあるでしょう。


ここでは、手続きに関するよくある質問を解説します。


申請が却下された場合はどうすればいい?

抵当権抹消の申請が却下される主な理由は、書類の不備や記入ミスです。申請が受理されなかった場合、まずは却下の理由を確認し、対応しましょう。


主な却下の原因は、登記申請書の記入ミスや漏れ、必要書類の不足です。また、金融機関から交付された書類に不備がある場合は、再発行の手続きが必要になります。


却下された場合は、法務局の担当者に具体的な修正点を確認し、書類を訂正して再提出すれば、問題なく受理されることがほとんどです。書類の訂正が難しい場合は、法務局の相談窓口を利用するか、司法書士にサポートを依頼するのも方法の一つです。


抵当権抹消手続きをオンラインで行うことはできる?

法務局では、登記・供託オンライン申請システムを提供しており、抵当権抹消手続きもオンラインで申請可能です。ただし、利用には条件があります。


オンライン申請には、マイナンバーカードなどの電子証明書の取得と、電子署名を行う環境が必要です。また、申請データの作成や送信には、登記・供託オンライン申請システムの利用登録が必要になります。


金融機関から取得する登記原因証明情報や委任状なども、電子署名対応の電子文書である必要があるため、事前に金融機関が電子文書で発行できるか確認しましょう。


オンライン申請の最大のメリットは、法務局へ直接行かずに申請できることです。ただし、初めて利用する場合は手続きが複雑に感じることもあります。オンラインでの申請に不安がある場合は、書類を作成したうえで窓口や郵送での申請を検討するのもよいでしょう。


抵当権抹消手続きを自分でする時は、事前の準備をしっかりしよう

抵当権抹消手続きをスムーズに進めるには、必要書類を確認し、申請方法を事前に決めておくのが重要です。


まず、金融機関からの必要書類が揃っているか確認しましょう。特に、登記識別情報通知書や抵当権解除証書が揃っているか確認し、紛失している場合は金融機関に問い合わせましょう。


次に、登記申請書を正しく作成することが重要です。法務局の公式フォーマットを利用し、記入ミスを防ぎましょう。オンライン申請を検討する場合は、電子証明書の準備も必要です。


また、申請方法を窓口・郵送・オンラインのどの方法で申請するか決めておくとスムーズです。自分に合った方法を選び、早めに手続きを完了させましょう。


事前準備を整えておけば、抵当権抹消手続きは難しくありません。住宅ローン完済後は早めに手続きを進めましょう


山田拓弥

記事監修

山田 拓弥

宅地建物取引士 相続診断士

小中高と新潟で過ごし、大学入学と共に上京。大学卒業後は大手アパート建設メーカーに入社、営業職として従事し当時最年少で課長に昇進。
5年間アパートメーカーに勤めた後、2017年オープンハウス・ディベロップメントへ転職、お客様からの不動産買取や売却相談に対応している。税制や相続に関連した相談などへの細かい対応を得意とする不動産買取のスペシャリスト。

小中高と新潟で過ごし、大学入学と共に上京。大学卒業後は大手アパート建設メーカーに入社、営業職として従事し当時最年少で課長に昇進。
5年間アパートメーカーに勤めた後、2017年オープンハウス・ディベロップメントへ転職、お客様からの不動産買取や売却相談に対応している。税制や相続に関連した相談などへの細かい対応を得意とする不動産買取のスペシャリスト。

不動産を売却するならオープンハウスが買取ります

オープンハウスは、売れなくて困っている土地、いびつな土地や古い建物が建ったままの土地でも、積極的に買い取ります。

電話やネットからお問い合わせいただければ、経験を積んだ専門のスタッフが買い取り価格を素早く算出し、24時間以内にお知らせします。価格に納得頂ければ最短48時間で現金化も可能です。

オープンハウスの買取買取フロー

商談が未成立でも相談料等は発生しません。お気軽にお問い合わせください。

最短48時間で即現金化!

※諸条件がございます。詳細はお問い合わせください。

不動産売却専用ダイヤル

受付時間:9:00~19:00(水曜定休)
お気軽にお問い合わせください。